鹿沼 ド根性で銀! ギア故障アクシデントも「逆に頑張れた」

[ 2016年9月16日 05:30 ]

<女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)>銀メダルを獲得し金メダリストと笑顔を見せる鹿沼(左)とパイロットの田中

リオデジャネイロ・パラリンピック 自転車女子タンデム個人ロードタイムトライアル

(9月14日)
 自転車女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障がい)で、クロスカントリースキーから転向した鹿沼由理恵(35=楽天ソシオビジネス)が39分32秒92で銀メダルを獲得した。日本は第8日(14日)に5個(銀3、銅2)のメダルを獲得し、今大会通算メダル数を16個(銀7、銅9)とした。

 異変に気がついたのはレース開始1分前だった。11段のギアが一番重い位置から動かない。電気系統のトラブルだった。鹿沼は「疲れを抑えるには小まめにギアチェンジした方がいいけど、今までの練習を信じた」と開き直った。

 ギアチェンジできないことで、スタートや計6つのヘアピンカーブではより大きな負担を強いられた。だが「ピスト(変速機のないトラック用競技車)のつもりで後ろでこいだ」。2人乗りタンデム車の前方に乗って操作するパイロットの田中は「死ぬ気で苦しもうと思った」。2人で力を合わせて重いペダルを踏み、30キロを走り抜いた。

 死力を尽くした「39分32秒92」は17選手中2位だった。不本意な結果に終わったトラック種目でのショックとアクシデントを乗り越えてつかんだ銀メダル。鹿沼は「最後まで諦めないでよかった。ギアが変わらないことで逆に頑張れた。本当にうれしい」と涙を浮かべて喜んだ。日本代表の権丈(けんじょう)泰巳監督は「考えられないこと。2人の根性ですね」と目を丸くして称えた。

 生まれながらの弱視。クロスカントリースキーに取り組み、10年バンクーバー冬季パラリンピックでは計4種目で入賞した。その後、練習中に左肩じん帯を断裂。脚力を生かせる自転車への転向を決意した。15年5月には練習中に落車して、外傷性くも膜下出血、左鎖骨骨折、肩甲骨骨折の重傷。何度大ケガしてもはい上がってきた。最後に支えになったのは一度はコンビを解消しながら、今年から再びタッグを組んだガールズケイリン選手の田中。6月の合宿では練習の意図を巡って口論したこともあったが「彼女の技術があって難しいコーナーも回れた。一緒に表彰台に上がれてうれしい」。ど根性娘は表彰台で信頼するパートナーと肩を組んで笑顔を見せた。

 ◆鹿沼 由理恵(かぬま・ゆりえ) 1981年(昭56)5月20日、東京都生まれの35歳。山崎高―文京盲学校卒。楽天ソシオビジネス勤務。14年ロード世界選手権タイムトライアル優勝。網脈絡膜欠損(中央の視野がない)、視力は0・02。1メートル61、56キロ。

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