藤田6バーディー 最優秀キャディーと賞金王へ前進

[ 2012年11月17日 06:00 ]

<ダンロップフェニックス>14番、梅原キャディー(左)と一緒にラインを見る藤田

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第2日

(11月16日 宮崎県宮崎市 フェニックスカントリークラブ=7027ヤード、パー71)
 賞金ランクトップの藤田寛之(43=葛城GC)はパットがさえわたり、6バーディー、1ボギーの66で回り8位から通算7アンダーの3位に浮上した。最終18番はスーパーショットでピンチを脱出してバーディー。6打差の首位ルーク・ドナルド(34=英国)と最終組に入った。「キャディー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた専属の梅原敦キャディー(38)とともに初の賞金王へ前進する。
【第2R成績】

 頭の中は次の日のことでいっぱいだった。首位を走るドナルドと最終組になるには、どうすればいいか。18番パー5。バンカーからの第2打。藤田が勝負に出た。

 前方に2本の松が立ちはだかるため、普段なら、横に出してパーを取りに行ったはずだ。だが、「最後がバーディーならドナルドと一緒かな」と攻めた。7Iで「1本目の木の枝の下を抜いて次の木の上を越える」というショット。低く出してホップさせる漫画のような球筋を成功させて残り120ヤードに持って行くとPWで1・5メートルに付けてバーディー締めとした。首位と6打差の3位。大会前から熱望していた昨年の米欧両ツアー賞金王との同組を実現させた。

 「(ドナルドは)リーダーボードを見るたびに伸ばしていた。どういうことなんだ、と(石川)遼と話していた。世界ランク3位の空気感を知りたい。どうしても一緒にプレーをしたかった」

 大会前には1年で最も大きなキャディーの集まりがあり、その年最も優秀なキャディー「キャディー・オブ・ザ・イヤー」が決まる。同じ名称で年間最優秀キャディーを表彰している米ツアーにならってキャディー仲間で数年前に始めた非公式の表彰制度。今年は藤田専属の梅原キャディーが初受賞した。開幕2日前の13日、宮崎市内の飲食店で記念の盾、ワインなどをプレゼントされ、キャディー仲間や関係者約50人から祝福を受けた梅原キャディーは「最高です。僕は絶対に藤田さんに賞金王になってほしい。順位が動く世界ランクと違って永遠に残るものだから」と熱い思いを口にする。

 言葉には出さないが、14年間、苦楽を共にしてきた相方のラブコールを受け、藤田にも期するものがある。勝てば賞金王に限りなく近づく大会。最高のプレゼントは世界のドナルドを破っての今季4勝目と決めている。
 
 ◆梅原 敦(うめはら・あつし)1974年(昭49)4月5日、京都府生まれの38歳。専門学校卒業後、兵庫県内のゴルフ場で3年間、練習生をした。97年サントリーオープンで初優勝した藤田のプレーに感動し、翌98年にバッグを担いだ際に専属キャディーを直訴。99年からコンビを組む。

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