白鵬「恩返しできたかな」双葉山への思い告白

[ 2010年11月21日 06:00 ]

上手出し投げで北太樹に勝利した白鵬

 大相撲九州場所7日目は20日、福岡国際センターで行われ、2日目に連勝記録が63でストップした横綱・白鵬は、北太樹を上手出し投げで下し1敗をキープ。連勝が続いていれば双葉山の69連勝に並んだ“幻の日”に横綱相撲を展開した。トップを走る1敗力士は白鵬、把瑠都、魁皇に平幕の豊ノ島、時天空、旭天鵬、翔天狼の7人となった。

 2日目に稀勢の里に敗れていなければ、69連勝を達成していた日。勝ち名乗りを受けた白鵬は、いつになく時間をかけて手刀を切った。63で連勝が止まってから数日が経っても、その表情はどこか暗さが感じられた。しかし、冷静になって振り返ると負けたことで気づいたことも出てきたようだ。 
 「負けた瞬間は双葉関に恩返しできなかったという思いがあったけどゆっくり考えた。双葉関を知らない人は知っただろうし、知っていた人はもっと知ったと思う。尊敬するあこがれの存在が“凄いんだぞ”というのを知ってもらったことで恩返しができたのかな」
 場所前に69連勝を期待していた企業によって、この日は地方場所では過去最高となる48本(手取り144万)もの懸賞金が付いた。館内は今場所初めての満員御礼で熱気に満ち、双葉山の故郷、大分県宇佐市から駆けつけた中原健一副市長ら総勢40名が「頑張れ白鵬!」とエールを送った。そんな声援を背に白鵬は北太樹に対して横綱相撲を見せた。立ち合いで右四つの形をつくって土俵際まで寄るとタイミング良く上手出し投げ。白鵬にとっては「自分の中では並んだという気持ちでいたい」と言う節目の勝利だった。
 東京・富岡八幡宮には過去に50連勝を達成したと伝えられる力士の名が刻まれた「超50連勝碑」がある。引退後には白鵬もそこに名が刻まれることが決定していているが、宇佐市では白鵬の功績を称えて「超60連勝碑」をつくる計画も浮上しているという。「これから長い道がある。引きずらずに一番一番頑張っていきたい」。懸賞はきょうの阿覧戦でも42本(手取り126万円)。連勝が止まっても白鵬が角界の屋台骨であることは変わりない。

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2010年11月21日のニュース