「美姫ちゃん頑張れ」日本語の声援が力に…腰痛に耐え大逆転

[ 2010年11月21日 14:33 ]

演技を終え、観客の声援に応える安藤美姫

 【フィギュアスケート・ロシア杯】大会前に痛めた腰には、前日以上に痛々しくテーピングが施されていた。演技直前の控室では涙を流すほど、精神的に不安定だった。だが、安藤に届いた一つの声援が気持ちを変えた。「美姫ちゃん、頑張れ」。遠く離れたロシアで聞いた日本語の子どもの声。揺れていた心は落ち着きを取り戻し、SP5位からの巻き返しに突き進んだ。

 痛みで力が入りづらい状況に耐え、最初の3回転―2回転の連続ジャンプを決めてリズムをつかんだ。スピードはあまりなかったが、スピンやステップを一つ一つ着実にこなすと、1・1倍の得点となる後半の8度のジャンプも成功。元世界女王は技術点の高さで大逆転に結び付けた。

 演技後に腰を押さえ、引き揚げてきた安藤に笑顔はなかった。「けがをしていなかったら(もっとできた)と思うと悔しい」。ただ「以前だったら(不安な)気持ちが演技につながって大失敗していた」とも付け加えた。最近は大崩れのない安定感が快進撃を支える。

 2007年世界選手権制覇やGP5勝はすべてフリーで逆転と土壇場に強い。“逆転の安藤”は昨季に続くGP2連勝でのファイナル進出に「しっかり休んで準備したい」。初タイトルの好機に意気込んだ。(共同)

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2010年11月21日のニュース