7歳で出家 僧侶で馬術選手「自分にしかできない」2冠達成

[ 2010年11月21日 17:31 ]

総合馬術個人のゴール後、合掌する佐藤賢希

 【広州アジア大会】馬に乗ったお坊さんが、二つの金メダルを手にした。20日に総合馬術の団体と個人を制した26歳の佐藤賢希(明松寺馬事公苑)は僧侶という、もう一つの顔を持つ。

 長野県小川村にある実家は寺で、父の正道さんは乗馬クラブも経営する。曹洞宗の大本山、永平寺で修行を積んだ佐藤は7歳で出家すると同時に馬に乗り始めた。「馬と僧侶。自分自身にしかできないことだと思う。馬は単なる生き物ではない。毎日接していると命の尊さを体感させてくれる」と神妙な表情で語る。

 昨年4月に明大の先輩で北京五輪代表の大岩義明(日東光学)を慕い、ドイツに拠点を移した。馬術の腕を磨くとともに「欧州にもいくつかある」という座禅道場に出かけ、異国の地で無の境地に達することもある。

 弟の英賢は障害飛越で北京五輪に出た。負けられない兄は今回の栄冠をきっかけとできるか。「ロンドン五輪は夢だったけど、これで目標になってきた」。ゴール直後、さらなる飛躍を祈るように合掌した。(共同)

続きを表示

2010年11月21日のニュース