×

【コラム】川本治

持ち味発揮したタメのドリブル

[ 2013年5月24日 06:00 ]

 工藤のゴールは、“タメ”をつくる動きから相手DFの裏を取る持ち味が発揮された。意外と難しい相手GKとの1対1を落ち着いて簡単そうに決めているのが、現在の好調ぶりを表している。課題は前半のようにチームのリズムの悪い中でも、自分のプレーができるかどうか。準々決勝以降もアジアの強豪相手に結果を残せば、日本代表入りも見えてくる。

 柏がJリーグ勢で唯一1次リーグを突破し、さらに8強入りを果たした要因は、ネルシーニョ監督の采配が大きい。ブラジル人指揮官によくみられる傾向だが、過密日程になっても国内リーグと大きくメンバーを代えない。ターンオーバーを敷かないため疲労が蓄積するデメリットもあるが、過酷な状況を乗り越えることで、選手個々がアジアを勝ち抜くために必要なタフさを一戦ごとに身につけている。またサントス(ブラジル)など世界の強豪と対戦した一昨年のトヨタ・クラブW杯、決勝トーナメント1回戦敗退で悔しい思いをした昨年のアジアCLなど、国際経験の蓄積もクラブの力になっている。
 (川本治=元ジェフ市原強化部長)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る