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【コラム】川本治

心・体に技が加わり急成長した宿敵

[ 2011年1月24日 06:00 ]

<韓国・イラン>延長前半、ユン・ビッカラムの先制ゴールを喜ぶ韓国代表のパク・チソン(右上)とチャ・ドゥリ(同左)
Photo By AP

 韓国戦は事実上の決勝と言っていい。従来の韓国代表といえば、フィジカルと精神力が最大の武器だった。だが、趙広来(チョグァンレ)監督は昨年のW杯に比べ平均年齢で2・5歳も若返りを図り、従来のスタイルにテクニックと戦術を加味した。昨年10月の日本戦(0―0)に比べ間違いなくレベルアップしており、しっかりポゼッションするサッカーを構築してきた。

 特にMF具滋哲(クジャチョル)、FW池東?(チドンウォン)、MF孫弘敏(ソンフンミン)らの台頭が際立つ。ここまで全8得点を21歳以下の選手が挙げてきた。日本と異なる点を指摘するならば、その土壌だ。朴智星(パクチソン)、李青龍(イチョンヨン)らプレミアでもバリバリに活躍する憧れの存在が目の前にいて、しかもハードワークを惜しまない。若手の生きた手本となり、急成長に必要な環境が整っている。

 イラン戦で120分を戦い、さらに中2日で準決勝に挑むという点では、日本の方が有利だ。だが、彼らが宿敵の日本戦では常に実力以上の力を発揮することは説明の必要もない。勝敗を分けるとすれば、いかに相手のミス、隙を突けるか。日本にとって間違いなく最強の敵となる。(元ジェフ市原強化部長)

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