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【コラム】川本治

開始直後の失点で動揺…若さ出た

[ 2012年9月5日 06:00 ]

【U-20女子W杯準決勝 日本0-3ドイツ】試合終了後、泣きじゃくる田中美(左)をなぐさめる田中陽
Photo By スポニチ

U―20女子W杯準決勝 国立
(9月4日 日本0―3ドイツ)
 ヤングなでしこは“若さ”が悪い方向に出てしまった。痛かったのが試合開始直後の失点。攻撃力があり、今大会無失点のドイツに対して序盤は守備を重視していたと思うが、先制点を奪われ精神的にショックを受けたことが前半の3失点につながった。なでしこジャパンなら沢穂希らベテランが流れを変えられるが、年齢制限があるチームの経験不足が露呈した。

 日本のパスサッカーはドイツに研究されて封じ込まれた。1点目のきっかけは、猶本がドイツ選手3人に囲まれてボールを奪われたこと。その後も中盤で激しくプレスをかけられてチームとしてボールを前線に運べず、苦し紛れに出した横パス、バックパスを狙われてピンチを招いた。

 ドイツは高く、強く、速く、うまい。フィジカルをはじめ、個の力で大きな実力差があった。なでしこジャパンが北京五輪3位決定戦でドイツに敗れた経験を3年後のW杯優勝につなげたように、悔しい敗戦を糧にどう成長するかが将来のフル代表入りにつながる。3位決定戦で対戦するナイジェリアもドイツとタイプは違うが身体能力は高い。一方で組織力は劣るので、ドイツ戦の後半のように攻撃的なプレーを序盤からできれば、十分勝つチャンスはあるだろう。 (元ジェフ市原強化部長)

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