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【コラム】川本治

最後の最後で重要な「個」の力

[ 2011年1月21日 06:00 ]

ハットトリックの活躍でサウジアラビアを下し、コーチと抱き合う岡崎
Photo By 共同

 気の抜けた相手(サウジアラビア)に完勝した後の試合はメンタル的にも難しい。予想先発ではトップ下が柏木から本田圭に代わる。神経のずぶとい圭佑のことだから「俺が入って、もっと良くしてやろう」という気持ちを持ってプレーするはず。その気持ちは強すぎてもダメだが、絶対に必要だ。

 期待するのは2列目に並ぶ本田圭、香川、岡崎がバランスを崩さず、いかにポジションチェンジを繰り返せるか。タイプの違う3人がポジションにへばりつくようでは苦戦する。圭佑は自分で得点するというよりも、ゴールゲッターとなる両サイドの2人にうまく絡めるかがポイントになる。

 サウジアラビア戦で良かった点はフィニッシュの精度。スルーパス、クロスに対し1タッチのプレーから得点が生まれていた。サッカーでは最後の最後で個の力も重要だ。そして個の部分では柏木よりも本田圭の方が上と言っていい。ここまで無得点の香川が、たまったストレスをはき出せる状況ができれば、さらに迫力は増す。

 全体の内容も「えっ」というヨルダン戦から徐々に上向き、ザックジャパンの色が見えてきた。相手ボールになったときの守備、そしてフィニッシュの精度が一発勝負では何より重要。ぜひ、頂点を目指してほしい。 (元ジェフ市原強化部長)

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