×

スペイン“1000本練習”実らず…3人全員PK失敗 “PK戦要員”投入も悪夢の敗退

[ 2022年12月8日 03:59 ]

FIFAワールドカップカタール大会決勝T1回戦   スペイン0ー0(PK0―3)モロッコ ( 2022年12月6日    エデュケーションシティー競技場 )

<モロッコ・スペイン>スペイン・サラビアのPKは右ポストを直撃した(AP)
Photo By AP

 FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦の残り2試合が6日に行われ、ベスト8が出そろった。3大会ぶりの優勝を狙った1次リーグE組2位のスペインはF組1位のモロッコと対戦。延長戦を終えて0―0で突入したPK戦で0―3と敗れた。モロッコは初の準々決勝進出。

 スペインは作戦が裏目に出た。0―0の延長後半13分、途中出場のウィリアムスを下げて、サラビアを投入した。PK戦突入を見越して送り込んだ“PK戦要員”だ。ところが今大会初出場の技巧派FWは1人目で登場したが、シュートは右ポストを直撃。悪い流れを引きずるように2人目のソレル、3人目のブスケツも止められ、全員が失敗した。

 キッカーを選んだルイスエンリケ監督は「私に責任がある。またPK戦が始まったとしても同じ選手を選ぶ」と潔かった。ただ、サラビアは延長後半18分に惜しいシュートを放つなど短時間で存在感を示しただけに「彼にとても不公平なことをした。もっと出場時間を与えるべきだった」と悔やんだ。

 「(PK戦は)運ではない」という指揮官はPK戦を重視。選手に「W杯までに所属クラブで最低1000本蹴るように」と指示したほど力を入れながら実らなかった。スペインは2大会続けてPK戦負けで8強入りを逃した。PK戦はW杯最多に並ぶ5度目。通算1勝4敗となった。

 この日も伝統のパスワークは健在。ボール保持率は63%に及んだ。しかし相手の倍以上となるシュート14本を打ちながらネットを揺らせなかった。F・トレスは「何て言葉にしていいか分からない。もっと長く大会を戦いたかった」と話した。

 初優勝した10年南アフリカ大会後はW杯ではインパクトを残せていない。20歳のペドリや18歳のガビらが経験を積んだことが救いだ。前回大会後から率いて若返りを図った監督は「人生は続く。いい教訓になることを願う」と将来に希望を託した。

 ≪ブスケツ17戦出場でW杯スペイン最多タイ≫スペインのMFブスケツがW杯通算出場を17試合とし、GKカシリャス、DFセルヒオラモスの同国W杯最多出場記録に並んだ。4大会連続出場も前記の2人らを含む同国最多タイとなっている。

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月8日のニュース