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日本代表・森保監督 スペイン撃破へ「自分たちの力を信じて、仲間を信じて」

[ 2022年12月1日 05:17 ]

FIFAワールドカップカタール大会1次リーグE組   日本-スペイン ( 2022年12月1日    ハリファ国際競技場 )

会見に臨む森保監督(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 日本代表は1日(日本時間2日午前4時キックオフ)、1次リーグ最終戦でスペイン代表と対戦する。勝てば2大会連続決勝トーナメント進出が決まるが、負ければ敗退。スペインは昨夏の東京五輪準決勝で敗れた相手で、森保一監督(54)にとっては日本のプレーモデル確立の必要性を痛感させられた相手だ。30日の前日会見で言葉の端々に覚悟と決意をにじませた指揮官は、「Japan’s Way」を胸に、W杯優勝国を打ち破る。

 会見中に森保監督はおもむろにペンを走らせた。試合同様、思いついたことを書き留める。記したのは「過去を生かす」という言葉だった。「過ぎ去った過去は全てポジティブ変換して未来に生かすことを、今回もスペイン戦に向けてやっていきたいな、と」。五輪監督として日の丸を背負い始めてから5年。「重圧のかかる試合だと思うが、自分たちの力を信じて、仲間を信じて戦いに臨んでほしい」。過去の全てをスペイン戦に注ぐ。

 今こそ「Japan’s Way」を示す時だ。スペイン戦は森保ジャパンの総決算にして、日本サッカー界にとっても試金石の一戦となる。昨夏の東京五輪準決勝でスペインに敗れた指揮官には痛感したことがあった。

 「日本のプレーモデルをつくり上げた方がいい」

 日本は監督や年代が変われば戦術が変わる。スペインは違った。「準備期間が短い中でクオリティーを保てるのは、五輪やW杯だからと新しい戦術を一から始めるのではなく、そもそものベースがあり、対戦相手や状況でマイナーチェンジして戦うから」と感じた。

 以降の1年半、日本の軸として確立しようと口にし続けたのは「いい守備からいい攻撃に」のフレーズ。「切り替えは生命線。距離感をコンパクトにして、全員攻撃、全員守備ができるように関わりを持ってやることが大切」と訴えた。

 スペイン戦では“魔の15分”をしのいだ後が、日本の良さを打ち出す時間となる。スペインは今大会の2戦とも開始15分間で最も攻勢をかけた。ドイツ同様、まずは我慢。無敵艦隊が速度を落とした瞬間、ドリブルに優れた三笘や浅野を投入し、日本人の献身性を生かした連動したプレスから一気に奪ってゴールを襲う。最高峰のスタイルを誇る相手に、日本が積み上げたスタイルで立ち向かう。

 会見中、指揮官が記した言葉はもう一つあった。「称賛も批判も当たり前。我々がやっていることが国民の皆さんの話題になるとうれしい」。ドイツ戦後は称賛を、コスタリカ戦後は批判を、数え切れないほど浴びた。日本にサッカーが真の文化として根付くことを願う指揮官には「全てがうれしい」こと。50年までにW杯優勝を目指す歩みの一歩として、記憶に残る試合ができるか。スペイン戦が日本の運命の分かれ道となる。

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