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清水 J創設23年目の屈辱…初のJ2降格も田坂監督は続投へ

[ 2015年10月18日 05:30 ]

<清水・仙台>仙台に敗れガックリの清水イレブン

J1第2S第14節 清水0―1仙台

(10月17日 アイスタ)
 J1年間順位で最下位の清水はホームで仙台に0―1で敗れ、3試合を残してクラブ初のJ2降格が決まった。残留を争ってい新潟が松本を下したため、16位以下が確定。地域密着型の市民クラブとして93年創設のJリーグを構成した「オリジナル10」に入り、守り続けてきたトップリーグから陥落した。鹿島は柏を3―2で下し、ステージ首位・広島と同勝ち点で優勝争いにふみとどまった。後半ロスタイムにFW鈴木優磨(19)が決勝点。川崎Fを破った広島は浦和をかわして年間首位に浮上した。
【試合結果 J1年間順位表 第2S順位表 得点ランキング】

 残留へのわずかな希望は断たれた。後半ロスタイム、GK杉山力のゴール前へのロングボールが相手DFにはね返されると、無情の笛が鳴った。DF犬飼はピッチに倒れ込み、FW大前は目を真っ赤にしてうつむいた。その4時間半後に残留を争っていた新潟が松本を下し、清水にとっては初のJ2降格が決定。大前は「この試合がどういう状況か分かっていた。自分たちの力のなさを感じた」と肩を落とした。

 23年間J1の座を守り続けた名門も、今季は不名誉な記録が並んだ。昨季途中に就任した大榎前監督は「清水らしいサッカーを見せたい」と人もボールも動く攻撃的なスタイルを掲げたが、攻守に決まり事が少なく低迷。クラブワーストに並ぶ9戦勝ちなしなど低迷が続き、8月に辞任した。

 バトンを受けた田坂監督はカウンター狙いの堅守速攻を目指したが、前監督と180度異なる戦術に選手は戸惑った。MF本田主将は「監督が代わっても選手の力があれば、こうなっていない」と反省したが、ある選手は中盤に小柄で機動力に優れた選手がそろうチーム構成に「遅攻が得意な選手がそろっているのに速攻だけになっている。このままでは勝てない」と漏らしていた。あるOBも「立て直す時間がないのに時間がかかる作業をしてしまった。理想と戦力を見極めないといけなかったのでは」と一貫性がない“突貫工事”が失敗だったと分析した。

 田坂監督は「プロである以上、(結果は)真摯(しんし)に受け止める。進退については会社が判断すること」と話したが、来年も契約を残すため続投が基本線。降格決定後、会見した左伴社長は「歴史ある市民クラブのエスパルスを、私の代でJ2に落としてしまった責任を感じている」と話し「選手、コーチングスタッフだけではなく、強化部に責任がある」と原強化部長の解任を含めた強化部の見直しを示唆。FW大前ら主力流出の危機にさらされる中、J1復帰への険しい道のりが待ち受けている。

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