セットプレーの重要性浮き彫りになったブラジル―コロンビア戦

[ 2014年7月5日 18:32 ]

チーム2点目のゴールを決めたブラジルのダビド・ルイスは、歓喜のあまりコーナーフラッグをキック(AP)

W杯ブラジル大会準々決勝 ブラジル2―1コロンビア

(7月4日 フォルタレザ)
 準々決勝でブラジルが2-1でコロンビアを下した。3点ともセットプレーだったが、最初のセットプレーの大切さをあらためて感じさせた。

 どちらも負けたくないので、流れの中では点が取りにくく、セットプレーが重要になる。中でも最初のCKは相手の出方、つまり誰がニアに、誰がファーに、誰に合わせてくるかなどを見極め、マークを確認するが、その分、守るチームに隙ができるので点が入りやすい。前半7分のCKも、コロンビアはマンツーマンでマークしていたが、チアゴ・シウバが簡単にマークを外してファーサイドでフリーになっていた。

 近年はスカウティングが発達しているが、1次リーグのメキシコ戦では、CKでダビド・ルイスがファーサイドに入って、ゴールを決めていた。このシーンをコロンビアも見ており、選手の頭にあったはず。その裏をかいたのだろう。この試合のその後のCKではダビド・ルイスはニアに入っており、狙い通りの先制点だったと思う。ブラジルのしたたかさ、集中力の高さが生んだものだった。

 ブラジルは右サイドバックをダニエウ・アウベスからマイコンに代えた。長い距離を走れて縦の推進力を買ったのと、ボランチのグスタボが出場停止で、全体のバランスを考えたのかもしれない。お互いにエースがマークされる中で、ブラジルは形を変えずに挑んだ。ネイマールも激しくマークされたが、ブラジルもハメス・ロドリゲスを徹底的にマークし、前半はほぼ完璧に封じた。

 後半、コロンビアが2トップに変えて、攻撃が活性化し、流れを掴んだが、ブラジルが24分にダビド・ルイスのFKが直接決まり、試合は決まった。あの角度でボールが落ちたらGKは手が出ない。終盤は守備的な選手を入れて、そのまま試合を終わらせることに徹し、その通りに終わらせた。

 ベンチに監督経験があるパレイラがアドバイザーとして入っていたが、こういうのも大きいと思う。選手はコーチやドクターにいろいろと相談する。監督にはコーチやスタッフがいるが、大きな大会では同じ立場を経験した人でなければ分からないこともある。ちょっとしたことを相談できる人がいることは心強い。それも効果が出ているのだろう。(小倉勉=ヴァンフォーレ甲府コーチ、元日本代表コーチ)

 ◆小倉勉(おぐら・つとむ)1966年(昭41)7月18日生まれ、大阪府出身の47歳。天理大卒業後に渡独し、ブレーメンのユースなどを指導。帰国後、92年から市原(現J2千葉)で育成部やトップチームのコーチ、強化スタッフなどを歴任した。06年からイビチャ・オシム監督、08年からは岡田武史監督の下で日本代表コーチを務め、10年W杯南アフリカ大会で16強入り。12年ロンドン五輪では関塚隆監督の下でコーチを務めて4強入りを支えた。五輪後の12年9月からJ1大宮でコーチ、テクニカルダイレクターを務め、13年8月から監督。14年からJ1甲府でヘッドコーチを務めている。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「J1」特集記事

2014年7月5日のニュース