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本田、不安一蹴2発!強気節健在「どこが大丈夫じゃないんですか」

[ 2014年6月8日 05:30 ]

<日本・ザンビア>後半30分、豪快なスライディングシュートを決める本田

国際親善試合  米国・タンパ

(6月6日 日本4―3ザンビア)
 本田が最後に結果を出した。日本代表は6日、ザンビア代表と親善試合を行い、4―3の勝利で米国合宿を打ち上げた。過去2試合で低調だった本田圭佑(27=ACミラン)は、ハットトリックを達成した12年6月のW杯アジア最終予選ヨルダン戦以来、2年ぶりの2得点。運動量、キレとも不安は残るが、14日の1次リーグ初戦コートジボワール戦(日本時間15日)へ向け、復調の兆しが見えた。

 ザッケローニ監督が、チームメートが、そして日本中のサポーターが待ち望んでいた。2―2の同点に追いついた後半30分。攻め上がってきたDF森重のクロスに両足を投げ出した。豪快にネットを揺らすスライディングシュート。不振にあえいだ本田が、ようやく自らの存在価値を証明した。

 「W杯に向けて良い流れ?ボク自身に限って言えば、そういう流れに傾きつつある。多分、本番では良い方向に行くんじゃないですか」

 「きょうもきつかった」と言うように、まだ本調子ではない。特に前半はパスミスも目立ち効果的なプレーは少なかった。それでも、2日のコスタリカ戦で1アシスト。そして、この日は前半40分に決めたPK弾を含め2得点をマークした。前半ロスタイムに相手DFのタックルを突き破ってドリブルするなど力強さも戻りつつある。W杯前最後の試合で状態は1段、上がった。

 だが“不調”は周囲の見解だけで本田自身から焦りは見えない。いや、見せていないのかもしれない。報道陣から「不安説が出ているが」と問われると、「そうでしょうね。試合の運び方は課題です。2試合連続で先に失点している。何か原因があるからと受け止めないと」とチームの課題について言及。再度「個人のことだが」と問いただされると、不思議そうな顔で「どこが大丈夫じゃないんですか」と強気の本田節で切り返した。

 「そういうふうに言っている人は僕に求めている期待値が高いから。大会が終わったら感謝したいですね。これを良しとして見てくれている人は大会を見て、これ以上の本田圭佑のパフォーマンスを見せてあげたい。どちらにしても良い意味でサプライズを起こせる」

 本田は5月31日の会見では「4年間で一番自然体」と話していたが、言葉通り練習外ではリラックスしている。10年の南アフリカ大会前は、調子の上がらなかった主力選手が個別練習をこなしたこともあった。今代表でもコンディション調整のために、宿舎に完備されているトレーニングジムで汗を流している選手も少なくない。だが、日本協会関係者によると、本田がジムに姿を現すことはないという。本田はマイペースで調整している。

 南アフリカ大会から4年間、「優勝」だけを公言。最後のテストマッチで戦える手応えをつかんだことを強調した。サプライズ予告は本心か。それとも、自らを鼓舞するための演出か。まだチームメートとのコンディションに差はあるが、予告を有言実行するには残り1週間でその差を埋めなければならない。米国合宿を締めくくった本田は7日に移動。いよいよ決戦の地ブラジルに降り立つ。

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