なぜモウリーニョは“失敗”したのか…背景に象徴との確執

[ 2013年5月7日 12:02 ]

今季限りでの退団を示唆したRマドリードのモウリーニョ監督

 スペインの名門レアル・マドリードが欧州CLで3季連続準決勝敗退したことを受け、ジョゼ・モウリーニョ監督(50)は今季限りでの退団を示唆した。過去にポルト、インテル・ミラノで2度欧州CLを制した名将だが、なぜレアルでは成功できなかったのか。選手との不和、サポーターの批判、報道陣との対立など、その“敗因”をリポートする。

 まさに“決別宣言”だった。モウリーニョ監督は3日の会見で就任3年間の成果を強調。自ら用意した紙に書いていた前任者18人の名前を読み上げる挑発的な態度で「レアルで過去21年間に18人の監督が指揮して欧州CL準決勝に進出したのは5回だけ。悪いと言われる私は3年間で3回だ。しかも、昨季のリーグ優勝で最多勝ち点、最多得点記録をつくった偉業は私のものだ」と言い放った。

 “自画自賛”とは対照的に、スペインでの評価は厳しい。その象徴が翌4日のホーム・バリャドリード戦の自軍サポーターの反応。試合前に監督の名前が呼ばれると非難の口笛、ブーイングが響いた。一方で指揮官が先発起用しない控えのGKカシージャスの際には大歓声が起こった。

 モウリーニョ監督が“白い巨人”の中で孤立した最大の要因は選手との不和だ。ポルト、チェルシー、インテル・ミラノでは、クラブ首脳や報道陣との摩擦があっても、選手とは良好な関係を築き好成績につなげてきた。しかしレアルでは何度も選手との不和が浮上。決定的だったのは生え抜きでチームの象徴でもある主将のカシージャスとの対立だった。

 3日の会見でも「問題が起こるのは、1人が他の選手より上に立っていると思っていることだ」と名前こそ挙げなかったがカシージャスを痛烈に批判。その態度は主将に絶大な信頼を寄せるイレブンの反発を招いた。指揮官と同じポルトガル出身で“モウリーニョ派”とされていたDFペペでさえもバリャドリード戦後に「監督はイケル(カシージャス)にもう少し敬意を表すべき。選手とファンはイケルと一緒にいる」と批判した。

 指揮官が「ここでは人々が私を憎んでいる。特にプレスセンターに多くいる」と語ったように、報道陣とも激しく対立しており、状況はまさに四面楚歌(そか)。17日の決勝でAマドリードと対戦するスペイン国王杯優勝を置き土産に、来季は「ファン、メディアからも愛されている」というイングランドのチェルシーに復帰することが濃厚だ。

 ◆ジョゼ・モウリーニョ 1963年1月26日、ポルトガル・セトゥバル生まれの50歳。通訳から指導者に転身し、監督としてはポルトで03年UEFA杯、04年欧州CLを制覇。チェルシーで就任1年目の05年に50年ぶりのリーグ優勝をもたらし、06年も連覇して名声を確立した。08年に就任したインテル・ミラノではリーグ連覇、10年に欧州CL制覇など3冠を達成。10年にRマドリード監督に就任。

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2013年5月7日のニュース