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ビジャ4戦連発!スペイン苦闘60年ぶり4強

[ 2010年7月5日 06:00 ]

<スペイン・パラグアイ>後半38分、決勝ゴールを決め、喜ぶビジャ

 W杯初優勝を目指すスペインが“鬼門”を突破した。3日の準々決勝でパラグアイを1―0で破り、50年ブラジル大会以来、60年ぶり2度目のベスト4に進出した。GKイケル・カシージャス(29=Rマドリード)が好セーブで無失点に抑え、後半38分にFWダビド・ビジャ(28=バレンシア)が得点王争いの単独トップとなる4試合連続の5ゴール目で勝負を決めた。7日の準決勝はドイツと対戦する。

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 苦しんだからこそ、手にした勝利の味は格別だった。決勝点のビジャはピッチサイドで両拳を握りしめ、スタンドに向かって雄叫びを上げた。
 準々決勝を5度目の挑戦で初めて突破。50年ブラジル大会のスペイン最高成績に並んだ。デルボスケ監督は「こんなにきつい試合になることなど望んでいなかった。われわれにとっていい試合ではなかったが、ベスト4に入ったことは満足している」と感慨に浸った。
 前半からパラグアイの厳しいプレッシャーにてこずった。そして、後半にドラマが起きた。14分、相手PKをカシージャスがストップすると、その直後にビジャの突破で獲得したPKをMFシャビ・アロンソが決めた。ところが、主審はシュートより先にスペインの選手がペナルティーエリア内に入ったとして無効と判定。シャビ・アロンソの蹴り直しは相手GKビジャルに止められた。
 異様な緊迫感に包まれた試合の均衡を破ったのが08年欧州選手権得点王だ。MFイニエスタのドリブル突破からFWペドロが放ったシュートは左ポストに阻まれたが、ゴール左に詰めていたビジャがすぐさま右足でシュート。ボールは右ポストを直撃してから左ポストに当たったが、最後はゴールの内側に落ちた。
 「アクシデント続きのきつい展開だったが、最後にわれわれの力を発揮して歴史的な準決勝進出を決められた」。1次リーグ第2戦から4試合連続ゴールはスペイン新記録。今大会5ゴールで得点ランク首位に立つとともに代表通算43得点でラウルのスペイン最多得点記録にあと1と迫った。
 1次リーグ初戦でスイスに敗れたが、そこから4連勝。その間わずか1失点と安定感が際立っている。44年ぶりに優勝した08年欧州選手権の終了後からチームを率いるデルボスケ監督は「スペインサッカーの歴史で最もいい時期にある」と自画自賛した。マン・オブ・ザ・マッチのイニエスタは「われわれの強さは、選手全員が団結していること」と強調した。
 準決勝では08年欧州選手権決勝で退けたドイツと対戦する。相手は今大会No・1の得点力を誇る強豪だが、自分たちのスタイルを貫けば結果がついてくると信じている。「決勝トーナメントは一つも簡単な試合はないが、ドイツはスペインが残ったことに満足していないはず」。ビジャは自信たっぷりに言い切った。

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2010年7月5日のニュース