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シュバイン走って走って完ぺき“メッシ封じ”

[ 2010年7月5日 06:00 ]

<ドイツ・アルゼンチン>メッシをマークするシュバインシュタイガー(右)

 【W杯準々決勝・ドイツ4―0アルゼンチン】宿敵から4点を奪って大勝したドイツ。派手なゴールラッシュの裏にあったのは、レーブ監督が「実質的に試合から消去できた」と表現した完ぺきなメッシ封じだった。

 「相手の先発、試合運びに驚きはなかった。分析済みで予想通り」
 アルゼンチンを丸裸にしていた指揮官は、相手エースの封じ方も選手に伝授していた。
 「メッシは中盤の低い位置でプレーする。常にプレッシャーをかけて、ファウルはするな」
 先発平均24・8歳の若きイレブンはプランを完ぺきに実行。メッシへのファウルをゼロに抑えながら、決定的な仕事をさせない離れ業をやってのけた。その象徴的シーンは後半15分の相手カウンター。中央からドリブルでスピードに乗ろうとした背番号10を3人で囲んでボールを奪った。シュートは7本打たれたが、すべてペナルティーエリア外からで、2本のFK以外は誰かが体を寄せてフリーにしなかった。
 この戦術に必要だったのは走力。チームの総距離は106・9キロで、相手の100・5キロを大幅に上回った。特にボランチのMFシュバインシュタイガーは両チーム最長の11・27キロを走って、前半43分にメッシのシュートをブロックするなど、中盤の底でピンチの芽を摘んだ。昨年から本格的にサイドからボランチにコンバートされた副将に、レーブ監督は「素晴らしい働きだった。広いエリアをカバーし、組織を統率してくれた」と最敬礼。攻撃でも前半3分にFKを蹴ってMFミュラーの先制点、2-0の後半29分には得意のドリブル突破からフリードリッヒのゴールと2アシストをマークしてマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。
 戦前に“口撃”をしかけた天敵に快勝して「鳥肌が立った」と歓喜したシュバインシュタイガーは、すぐに準決勝を見据えた。「世界最高のチームだと思うが、われわれには倒す力がある」。08年の欧州選手権決勝で0-1で敗れたスペインにリベンジを誓った。

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2010年7月5日のニュース