藤井正弘の血統トピック

今春見どころ「母の父リーディング」 大阪杯キンカメが4頭の大攻勢

[ 2020年4月1日 05:30 ]

 今春のG1シリーズの統計的な見どころの一つがBMSリーディングを巡る攻防。高松宮記念はサンデーサイレンス首位奪還の大チャンスだったのだが、切り札ダイアトニックが大きな不利を受けて繰り上がり3着と、少々運にも見放された感じの幕開けとなった。第2ラウンドの大阪杯は一転、現在トップに立つキングカメハメハのターン。戦力不在のサンデーサイレンスに対して4頭出しの大攻勢である。

 3月29日のJRA開催終了時点(31日の続行競馬の分は未算入)で「母の父キングカメハメハ」は41頭の勝ち馬がグレードレース2勝を含む累計43勝を挙げ、本年のJRA獲得総賞金は7億8470万8000円。昨年同時期との比較では勝ち馬数、勝利数がほぼ2倍、獲得賞金は1.5倍と、順調に数字を伸ばしている。このままのペースを維持していけば、13年に及ぶ長期政権となったサンデーサイレンスに引導を渡すことになるだろう。

 ワグネリアンはG2時代の14~16年の“3連覇”でG1昇格に貢献したディープインパクト産駒。昨年、皐月賞以来のG1制覇を果たしたアルアインもしかりで、G1大阪杯は種牡馬ディープインパクトが先を見越して準備した産駒の復活ステージともいえる。1年半ぶりの重賞制覇で「母の父キングカメハメハ」リーディング奪取の強力なエンジンとなりそうだ。(サラブレッド血統センター)

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