藤井正弘の血統トピック

【高松宮記念】プリンセス 父へ手向けの激走に期待

[ 2019年3月21日 05:30 ]

 19日に24歳で大往生を遂げたキングヘイローは00年の高松宮記念優勝馬。当時G1格付け5年目だった春の短距離王決定戦は、父ダンシングブレーヴ、母グッバイヘイローという両親合わせてG1・11勝の世界的良血馬が11度目のG1挑戦で手に入れた最初で最後のビッグタイトルだった。

 他に中山記念、東京新聞杯、東京スポーツ杯3歳Sに勝ち、皐月賞2着、マイルチャンピオンシップ2着、ラストランの有馬記念でも勝ったテイエムオペラオーをしのぐ上がりで大外一気の4着入線と、競走馬としては最後までデカスリート的な異能を発揮したキングヘイローだが、それは生産部門でも同様。芝、ダート、距離の長短を問わず、11頭のグレード勝ち馬を送り出した。産駒の双璧はオークスと秋華賞を制した06年最優秀3歳牝馬カワカミプリンセスと、春秋スプリントG1完全制覇を果たした09年最優秀短距離馬ローレルゲレイロ。後者がスリープレスナイトを差し返した10年前の高松宮記念は現在のところ、レース史上唯一の“父子制覇”となっている。

 キングヘイロー産駒ダイメイプリンセスは昨年のスプリンターズS4着馬。今回はロードカナロア産駒ダノンスマッシュの2代制覇に注目が集まるが、こちらの父は平成高松宮記念のアイコンともいえる。手向けの激走があるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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