藤井正弘の血統トピック

【弥生賞】デイジー&ドラフト血統背景に因縁含みの類似点

[ 2019年2月28日 05:30 ]

 今週の皐月賞トライアル第1弾、弥生賞に2頭のグレード勝ち馬がエントリーしてきた。札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳S勝ちのニシノデイジーと新馬、京成杯を連勝したラストドラフト。初顔合わせとなる両雄の血統背景には因縁含みの類似点がある。

 ニシノデイジーの父ハービンジャーの競走馬としての評価を決定づけたのは、愛ダービー馬ケープブランコにレース史上最大着差の11馬身差でGレース4連勝を飾った10年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS。2分26秒78の勝ちタイムは当時のアスコット競馬場芝12Fのコースレコードでもあった。そのタイムを3年後に塗り替えたのがラストドラフトの父ノヴェリスト。こちらも愛ダービー馬トレーディングレザーに5馬身差という圧勝劇のタイムは、ハービンジャーの記録を2秒以上短縮する2分24秒60という驚異的なレコードだった。どちらも凱旋門賞の有力候補に台頭しながら出走はかなわず、サンデーサイレンス系繁殖牝馬群のハーレムキング候補として社台スタリオンSに導入されたという境遇まで共通なのである。

 ニシノデイジーは92年の桜花賞馬ニシノフラワーの曽孫にあたり、ラストドラフトは11年の桜花賞馬マルセリーナ初の血統登録産駒。新旧“キングジョージ”レコードホルダー2世によるリターンマッチは、世代を超えた桜花賞馬の直系子孫の対決でもある。血統的にも興趣満載の一騎打ちだ。(サラブレッド血統センター)

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