藤井正弘の血統トピック

【有馬記念】「母の父の伯父」と逆の道筋たどり歴代賞金王へ

[ 2017年12月21日 05:30 ]

 キタサンブラックの血統には過去2回でも引き合いに出してきた有馬記念のレジェンドが潜んでいる。母の父サクラバクシンオーの母サクラハゴロモの全兄アンバーシャダイ。1981年の優勝馬にして82年の2着馬であり、引退レースとなった83年にも3着に踏ん張った昭和の名馬だ。

 ちなみに有馬記念で3年続けて馬券の対象になった馬というと、他にもスピードシンボリ(3→1→1)、カネミノブ(1→3→3)、ナイスネイチャ(3→3→3)、ゴールドシップ(1→3→3)がいるのだが、1着から3着までの“金銀銅”コレクションを完成させたのはアンバーシャダイのみ。一昨年3着、昨年2着ときてラストランに臨むキタサンブラックはくしくも、この「母の父の伯父」と逆の道筋をたどっているわけである。

 キタサンブラックは勝てば歴代賞金王となる。現賞金王のテイエムオペラオーがそうだったように、常に必要最小限の力で勝ってきたことが結果的に体力温存につながり、正味2年に及ぶ長期政権を実現させたという見方もできる。今回もその“美学”を貫くのだろうが、一方でグランプリ独特の磁場が最後の最後にリミッターを外させてしまう可能性もなきにしもあらず。シンボリクリスエス、あるいはオルフェーヴルのようなレーティング破壊的な大勝をひそかに期待している。(サラブレッド血統センター)

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