365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1984年7月】雨音はショパンの調べ/ユーミンに勧められた小林麻美 TVでは1回も…

[ 2011年7月30日 06:00 ]

小林麻美の姿をスケッチしたものがジャケットになった「雨音はショパンの調べ」
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 ★84年7月ランキング★
1 ケジメなさい/近藤真彦
2 迷宮のアンドローラ/小泉今日子
3 雨音はショパンの調べ/小林麻美
4 ふたりの愛ランド/石川優子とチャゲ
5 メイン・テーマ/薬師丸ひろ子
6 STARSHIP/アルフィー
7 哀しくてジェラシー/チェッカーズ
8 アッパレ!フジヤマ/シブがき隊
9 ミス・ブランニュー・デイ/サザンオールスターズ
10 サヨナラは8月のララバイ/吉川晃司
注目NEVER/MIE
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【雨音はショパンの調べ/小林麻美】

 ウェーブのかかった黒髪に、アンニュイな雰囲気で不思議な魅力をかもしだしていた小林麻美。モデルであり女優、女性誌にエッセイも執筆すれば、自ら撮影する写真の腕前も玄人はだし。マルチな才能をみせていた30歳の彼女が8年ぶりにレコードをリリースした曲は、ヨーロッパで100万枚以上売れたという曲のカバーバージョンだった。

 歌番組にも一切出演せず、とりたててPRしたわけでもなかったが、曲は有線放送のリクエストなどから広まり、そのうち新聞や雑誌が元アイドルの久々の新曲に注目。これを採り上げたことで、人気が加速し、84年7月16日付から同30日までのオリコンチャートで3週連続1位。トータル52万枚をセールスした。

 詞を訳したのはユーミンこと松任谷由実。その2年前からプライベートでも付き合いのあった2人だが、ユーミンが「とてもいい曲があるの。歌ってみない?」と小林に推薦。レコーディングの際に「歌うとおもわないで、セリフをささやくように表現すると麻美の良さが出る」とユーミンのアドバイスを受けたことで一気に気持ちが楽になった。「今まで音程を外しちゃいけないないとか、難しく考えていたのが肩の力が抜けて、歌う楽しさに目覚めた」と、レコーディングは3回歌っただけでクリア。その勢いでアルバム制作へと話は発展した。

 「雨音は…」のヒット後、小林はNHKの時代劇「宮本武蔵」やドラマ「安寿子の靴」に出演。紅白歌合戦出演の伏線かとも言われたが、実は「雨音は…」はNHKで放送禁止曲に指定されていた。歌詞の「気休めは麻薬」というのがひっかかり、加えてプロモーションビデオでのセクシーすぎる映像もよろしくないとされ、出場は見送られた。

 ヒットから4年。88年2月18日、最初で最後のコンサートを日本武道館で開催。ノースリーブに細い脚を露出した白いドレスで登場した小林はオープニングで「雨音は…」を披露。ユーミンが演出したステージは、小林が幻想の世界と現実の世界を行ったり来たりする人魚姫という設定で進行。脚が自由自在に動く大ダコや難破船の大掛かりな舞台装置が注目を集めた。
 91年、所属事務所社長との結婚、すでに生後2カ月の男の子までいることを会見で発表。それ以降、表舞台には全く出ていない。

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