365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1993年7月】夏の日の1993/33歳でデビューしてミリオン 今でも夏の定番ソング

[ 2011年7月26日 06:00 ]

コンサートで熱唱するclass。左が津久井克行、右が日浦孝則
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 ★93年7月ランキング★
1 恋せよ乙女/WANDS
2 だって夏じゃない/TUBE
3 裸足の女神/B’z
4 君が欲しくてたまらない/ZYYG
5 刹那さを消せやしない・傷だらけを抱きしめて/T―BOLAN
6 揺れる想い/ZARD
7 夢 with you/本城裕二
8 島唄/THE BOOM
9 果てしない夢を/ZYYG、REV、ZARD&WANDS
10 サボテンの花~ひとつ屋根の下より~/財津和夫
注目翼を広げて/DEEN
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【夏の日の1993/class】

 33歳。普通だったら描いていた夢を諦めるかどうか、迷う年齢である。が、33歳にして「日本のサイモン&ガーファンクル」を目指してデビューした男性2人組が111万枚のCDをセールスし、夏の定番ソングとして今でも親しまれているから驚きである。

 米軍基地などでR&Bのカバー曲を歌い音楽活動をしていた津久井克行と、システムエンジニアをしていた日浦孝則がデビューしたのは1993年4月21日。高音の美しいハーモニーと、「1993 恋をした oh 君に夢中」という印象的なサビ、テレビドラマの主題歌とCMソングになったこともヒットの要因だったが、アコーステックギターで歌う、ひと昔前のフォークソング風のスタイルが、同世代に共感を呼んだことも見逃せない。CD売り上げも好調だったが、有線放送でのリクエストが多かったのも、同時期のヒット曲とは違う傾向だった。

 ヒット曲のサイクルが短くなった時代。すぐに第2弾をと考えたがなかなかいい曲とめぐり合わなかった。2枚目の「もう君を離さない」をリリースしたのは10月。34万枚を売ったが、デビュー曲と比べれば寂しい数字だった。

 「夏の日の…のインパクトが強すぎて、その後が続かなかった。歌のイメージを引きずってプレッシャーになった」と津久井。7枚のシングル、6枚のアルバムを残し、96年に日浦と津久井は袂を分かち解散。ファンには音楽性の違いとの説明だったが、はっきり言って、将来に行き詰まっての解散だった。

 津久井は音楽活動を続けたが収入は激減。仕方なく、ガラス工場で理科の実験などで使うフラスコを作って働いていたこともあった。それでも音楽活動を続け、03年にファンの後押しもあって、再結成。「夏の日の1993 2003 up to date session」で、久しぶりに2人で舞台に立った。

 08年に日浦が離れ、所属事務所の社長だった岡崎公聡と新生classをスタートさせたが、09年津久井がすい臓がんに侵されていることが判明。気力を振り絞りアルバム「十六年と一日」を発表。「人生が終わる歌が収録されているんですけど、後で笑い話になるようになれば」と話していた津久井だが、10月2日に永眠。享年49歳。50歳の誕生日まであとわすが11日だった。

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