365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1972年7月】さよならをするために/ビリー・バンバン起死回生のヒットも心境は複雑

[ 2011年7月31日 06:00 ]

兄弟デュオ「ビリー・バンバン」の兄・菅原孝(右)と弟・菅原進
Photo By スポニチ

 ★72年7月ランキング★
1 ひとりじゃないの/天地真理
2 さよならをするために/ビリー・バンバン
3 ふりむかないで/ハニー・ナイツ
4 鉄橋をわたると涙がはじまる/石橋正次
5 瀬戸の花嫁/小柳ルミ子
6 旅の宿/よしだたくろう
7 純潔/南沙織
8 あなただけでいい/沢田研二
9 芽ばえ/麻丘めぐみ
10 待っている女/五木ひろし
注目どうにもとまらない/山本リンダ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【さよならをするために/ビリー・バンバン】

 レコード売り上げ21万枚のスマッシュヒットとなった「白いブランコ」から3年。「さよならをするために」はビリー・バンバンの最大のヒット曲となった。

 日本テレビ系ドラマ「3丁目4番地」の主題歌は、ラジオ番組へのリクエストが多かったことから、ドラマを見ていない層にも浸透。それがレコード売り上げにもつながり、発売から5カ月が過ぎた7月24日付のオリコンチャートで1位となると、翌週の31日付までトップをキープ。トータルで70万枚を売り上げる最大のヒット曲となった。

 「3丁目4番地」に主演した石坂浩二が作詞。同ドラマは71年にヒットした「2丁目3番地」の続編だったが、石坂と共演し、結婚した女優の浅丘ルリ子が前作同じく出演し話題になった。

 菅原孝(兄)と進(弟)の2人からなる通称“ビリバン”は当初、作詞が石坂、作曲も後に西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」などを世に出した坂田晃一と、兄弟が作った作品でないことから、ヒットを手放しで喜べなかった。それでも沈滞ムードにあったビリバンが息を吹き返した一曲になったことは確かで、「白いブランコ」では実現できなかったNHK紅白歌合戦に初出場した。

 もともと進と他3人でアマチュアバンドを結成。うち2人が抜けて、そこに兄の孝が参加。もう一人がコメディアンとして、後に一世を風靡した、せんだみつおだった。

 ウソか本当か、せんだは「ビリー・バンバンは芸能界へ入るための手段だった」と話しているが、せんだが抜けた後に兄弟2人で活動を継続。「さよならを…」のあたりが、人気フォークグループとしての絶頂だったが、その後ヒットに恵まれず、一時解散。音楽の方向性の違いとされたが、内情は「兄弟げんか」だった。

 活動が再開したのは解散から8年後の84年。国際青年年の協賛歌を歌ったことがきっかけだった。87年からは麦焼酎「いいちこ」のCMソングを担当。09年に坂本冬美が歌って大ヒットした「また君に恋してる」はビリバンがリリースした曲で、兄弟の依頼で坂本がカバーし大ヒット。2010年に坂本にとって89年の「男の情話」以来、21年ぶりのオリコンチャートベストテン入りを果たした。
 

続きを表示

バックナンバー

もっと見る