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【1980年7月】哀愁でいと/予感はあった 田原俊彦 デビュー曲にして最大のヒット曲

[ 2011年7月10日 06:00 ]

田原俊彦が歌った「哀愁でいと」はデビュー曲にして最大のヒットだった(写真は06年撮影)
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 ★80年7月ランキング★
1 ダンシング・オールナイト/もんた&ブラザーズ
2 哀愁でいと/田原俊彦
3 ロックンロール・ウィドウ/山口百恵
4 トゥナイト/シャネルズ
5 昴(すばる)/谷村新司
6 別れても好きな人/ロス・インディオス&シルヴィア
7 恋の綱わたり/中村晃子
8 雨の慕情/八代亜紀
9 RIDE ON TIME/山下達郎
10 南回帰線/堀内孝雄・滝ともはる
注目順子/長渕剛
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【哀愁でいと/田原俊彦】

 歌手・田原俊彦が大衆に認知されるようになった第一歩が、80年7月10日だったと言ってもいいだろう。

 TBS「ザ・ベストテン」の8位に初登場。米国で人気のレイフ・ギャレットが歌う「ニューヨーク・シティ・ナイト」のカバーだったが、同局のドラマ「3年B組金八先生」に出演した、近藤真彦、野村義男のいわゆる「たのきんトリオ」の先頭を切ってのレコードデビューに加え、視聴率25%前後の人気番組にランキングされたことは大きな話題となった。

 レコード初回生産分5万枚は瞬く間に売れ切れ、追加注文が殺到。8月に日比谷野外音楽堂のイベントでは熱狂のあまり、ファンが将棋倒しになるなど、人気は日を追うごとに熱を帯びていった。

 予感はあった。金八先生終了後、田原は感謝の意を込めてファンの集いをレストランを貸し切って計画。200人を招待しようとした。あらかじめ200人に招待状を送ったわけではなく、当日受付を行ったところ、なんと予想をはるかに上回る3000人が殺到。混乱収集のため、警察官まで出動し、イベントは中止に。日時と場所を変えて開催せざるを得ない状況になった。

 「ザ・ベストテン」では計7週1位だった「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザーズ)を引きずり下ろし、8月28日にトップに立ち、その後3週連続1位。オリコンチャートでは最高2位でトップになることはなかったが、トータル72万枚をセールス。

 デビュー2曲目の「ハッとして!GOOD」で初の1位を獲得したが、レコード売り上げは62万枚と、「哀愁でいと」の方が数字は上回っていた。田原はデビュー曲以来、38曲連続オリコントップテン入りという記録を持っているが、一番売れたのは、実は一発目のこの曲だった。

 同期デビューの松田聖子のセカンドシングル「青い珊瑚礁」と「哀愁でいと」はトップ争いを演じたが、グリコのアーモンドチョコレートのCMでは共演。“友達以上恋人未満”を匂わせるようなシーンに、双方のファンは敏感だった。テレビ欄の出演者を羅列する際、2人の名前が横並びしないように配慮されるなどの出来事もアイドル全盛時代を感じさせるエピソードである。

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