365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1992年7月】涙のキッス/実は初めて 桑田佳祐 あのドラマの結末知って書いた!

[ 2011年7月18日 06:00 ]

 ★92年7月ランキング★
1 if/CHAGE&ASKA
2 涙のキッス/サザンオールスターズ
3 君がいるだけで/米米CULB
4 もう恋なんてしない/槇原敬之
5 シュラバ・ラ・バンバ/サザンオールスターズ
6 BLOWIN’/B’z
7 はがゆい唇/高橋真梨子
8 ガラスのメモリーズ/TUBE
9 部屋とYシャツと私/平松愛理う
10 もう涙はいらない/鈴木雅之
注目サヨナラ/GAO
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【涙のキッス/サザンオールスターズ】

 サザンオールスターズ31枚目のシングルは、同32枚目となる「シュラバ・ラ・バンバ」とともに92年7月18日にリリースされた、「いとしのエリー」「TSUNAMI」と並ぶサザンの名作ラブバラード。

 初回出荷分で53万枚と、発売と同時ミリオンセラー確実という数字だったが、オリコンチャートで7月27日から7週連続1位になるなど、最終的には154万枚をセールス。意外なことにサザンにとってこれが、78年のデビュー以来初の100万枚突破となった。

 話題性満点だった。TBS系ドラマ「ずっとあなたが好きだった」の主題歌として有名だが、サザンがドラマの主題歌を書き下ろすのはこれも初めてのこと。83年に同じTBSのドラマ「ふぞろいの林檎たち」では「いとしのエリー」がオープニングで使われたり、劇中にサザンのヒット曲がサントラのように散りばめられたが、すべてドラマよりもずっと以前に世に出た作品。ドラマに合わせて用意されたことはなかった。

 「30歳の男女の恋愛に興味がある」という桑田佳祐がドラマの企画書に目を通し、プロデューサーらと意見交換を十二分にした上で、曲作りにとりかかった。「ドラマの結末は俳優さんも知らない。知っているのは僕と脚本家、それに桑田さんだけ」と貴島誠一郎プロデューサー。「桑田さんには“平成版いとしのエリー”をと変な注文をしてしまった」と同プロデューサーは、桑田に後々まで歌い継がれるような曲を求めた。

 佐野史郎演じる「冬彦さん」の過剰なまでの異常な行動と、それにおびえる賀来千香子の演技が話題となり、ドラマは平均20%の視聴率を記録し大当たり。サザンはサザンで、発売直前の7月17日には中国・北京の紫禁城から初のライブ中継に挑戦。9月に北京で行われる予定だった、コンサートのデモンストレーションを見事に成功させた。

 プロデューサーの発注どおりに、まさに90年代、平成の初期の音楽シーンを語る上で、外すことのできない名曲だが、時代が昭和から平成に変わっても新たなファンを開拓し続けたのがまさにサザンの魅力だった。

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