365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1977年7月】勝手にしやがれ/ジュリー 本当は魅力を感じていなかった?レコ大受賞曲

[ 2011年7月15日 06:00 ]

 ★77年7月ランキング★
1 勝手にしやがれ/沢田研二
2 渚のシンドバッド/ピンク・レディー
3 イミテーション・ゴールド/山口百恵
4 暑中お見舞い申し上げます/キャンディーズ
5 星の砂/小柳ルミ子
6 あずさ2号/狩人
7 雨やどり/さだまさし
8 熱帯魚/岩崎宏美
9 サクセス・愛しのティナ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
10 能登半島/石川さゆり
注目センチメンタルカーニバル/あおい輝彦
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【勝手にしやがれ/沢田研二】

 パナマ帽をかぶり、クリーム色のスリーピースのスーツ、細めのネクタイを締め、胸にはコンビのこげ茶と白のマーガレット。歌いながらパナマ帽を客席に向かってフリスビーごとく投げ、最後は顔をゆがめて壁にペンキでも塗るような仕草で「アーア、アーア、アアアアー」。

 77年の日本レコード大賞受賞曲、“ジュリー”こと沢田研二の「勝手にしやがれ」は、大人だけでなく、子どもにまで人気を博したレコード売り上げ89万枚を記録した大ヒット曲。学校で子どもたちがピンク・レディー以外でものマネをしたのは、当時ジュリーと王貞治選手の一本足打法だけだった。

 そのピンク・レディーとは賞レースでデッドヒートを展開した。レコ大と並んで歌手が欲しがった栄冠の一つ、日本歌謡大賞ではピンク・レディーの「ウオンテッド」と「勝手にしやがれ」が最後の決選投票までもつれ込み、審査員投票で22票を獲得したジュリーがわずか1票差で逃げ切り、クールがトレードマークの男がステージ上で大泣きした姿が印象的だった。「あの時、ピンク・レディーの存在があったからこそ、頑張れた」と後に述懐している。

 派手なピアノで始まる斬新なイントロがまず耳に入ってくるが、作曲をしたのは、ジュリーととともにロックバンド「PYG(ピッグ)」のメンバーだった大野克夫。刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のオープニングのインストゥルメンタルの作曲者として知られるが、刑事ドラマの代名詞となった曲同様、冒頭からのインパクトは強烈だった。

 作詞は阿久悠。往年のフランス映画の名作からタイトルを拝借し、さらにその映画の内容を切り取ったような歌詞だったが、実は「個人的な好き嫌いで言えば、阿久さんの詞に魅力を感じていなかった」とジュリー。感情移入せず、淡々と歌ったことで、偉大な売れっ子作詞家・阿久へ挑戦したのだった。

 意外にも子どもの頃の夢はプロ野球選手。出身地、京都の西京極球場に試合を見に行った際、トイレで隣り合わせになったのが当時新人の東映(現、日本ハム)・張本勲選手で、それ以来ファンになった。

 ジュリーのニックネームは、GSバンド「タイガース」時代、愛称がなく、米女優ジュリー・アンドリュースのファンだったことから付けられたものだった。

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