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【1974年7月】ふれあい/あの歌が知りたい!中村雅俊デビュー曲に問い合わせ殺到

[ 2011年7月1日 06:00 ]

74年、デビュー当時の中村雅俊
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 ★74年7月ランキング★
1 夫婦鏡/殿さまキングス
2 うそ/中条きよし
3 ひと夏の経験/山口百恵
4 恋のアメリカン・フットボール/フィンガー5
5 追憶/沢田研二
6 ふれあい/中村雅俊
7 激しい恋/西城秀樹
8 私は泣いています/りりィ
9 ポケットいっぱいの秘密/アグネス・チャン
10 浜昼顔/五木ひろし
注目二人でお酒を/梓みちよ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ふれあい/中村雅俊】

 日曜日の夜、テレビドラマで流れた1曲がきっかけで、翌日の月曜日のテレビ局やラジオ局の代表電話は多くの女性から問い合わせが殺到した。

 日本テレビ系のドラマ「われら青春!」の主演、英語教師役の新人俳優・中村雅俊が歌った挿入歌について「曲名を知りたい」「いつレコードが発売になるのか?」などなど…。切ないメロディーと「ひとはみな一人では生きてゆけないものだから」という印象に残る歌詞に視聴者は敏感に反応した。

 ドラマ放映翌日の7月1日にリリースされた「ふれあい」は中村の歌手としてのデビュー曲。もともとギターを弾き、時間を見つけてはノートに自作の詞や曲を書き溜めていたが、この作品は当時の学園ドラマソングの代表格、作詞山川啓介、作曲いずみたくのおなじみコンビによるもの。この歌詞を下敷きに11月には映画まで封切りとなった。

 発売と同時にラジオの電リクで火がつき始め、8月にはオリコンで1位を獲得。なんと10月下旬まで10週連続トップの座を守り、レコード売り上げ累計127万枚の大ヒット曲となった。

 外交官志望だった中村は英語の勉強もかねて慶大に入学後、ESSに所属。英語劇をしたり、劇場で裏方のバイトをするうちに、演劇に興味を持った。大学4年時に文学座の研究生となり、テレビドラマのオーディションを受けたところ合格。ジーンズをはいた、ボサボサ頭の大学生が4月から始まる青春ドラマの主役にいきなり抜てきされた。

 主役の俳優は当時劇中で歌を歌うのがお約束。中村も予定通り歌ったところ、考えてもみなかったミリオンセラーに。「マージャンに例えれば、いきなり配パイからラッキーだった」と中村。幸運なスタートだった。

 当時は撮影所の近くのアパートに住んでいたが、四畳半の部屋にはテレビがなく、「われら青春!」の初回放送はいきつけのとんかつ屋のテレビで見た。熱血教師役は女子中高生のハートをつかみ、いわゆる“おっかけ”によって自宅アパートはすぐに見つかってしまうほど。ある時、鍵をかけずに出かけると、家に帰ったら部屋で女性が待っていたこともあった。40年近く前の話。古きよき時代である。

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