365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1989年7月】世界でいちばん熱い夏/プリプリ 今だからこそ2年前の“リベンジ”

[ 2011年7月19日 06:00 ]

 ★89年7月ランキング★
1 世界でいちばん熱い夏/プリンセス・プリンセス
2 淋しい熱帯魚/Wink
3 ANNIVERSARY/松任谷由実
4 まいったネ今夜/少年隊
5 Diamonds/プリンセス・プリンセス
6 さよならベイビー/サザンオールスターズ
7 夢の中へ/斉藤由貴
8 恋のロックンロールサーカス/浅香唯
9 トラブル・メーカー/南野陽子
10 ヴァージン・アイズ/中山美穂
注目リゾ・ラバ/BAKUFU―SLUMP
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【世界でいちばん熱い夏/プリンセス・プリンセス】

 「Diamonds」で初の1位、初のミリオンセラーを記録した“プリプリ”の8枚目のシングルは、リベンジの意味が込められていた。

 平成に入って最初の夏、7月1日にリリースされた「世界でいちばん熱い夏」。実は、2年前の87年7月16日にセカンドシングルとして一度リリースされていた。作詞がギターの富田京子、作曲がボーカルの奥居香で出した、プリプリのメンバーの作品による最初のシングルを、「Diamonds」の大ヒットで勢いに乗っていているこの時期に、もう一度聴いてもらいたいという思いが、メンバーとスタッフにあり、アレンジを施して再度発売することになった。

 テレビ朝日系の旅番組のテーマソングに使われたこともあったが、時はバンドブーム。特にガールズバンドの憧れの的になっていたプリプリの“新曲”はリリースした瞬間に話題となり、オリコンチャート初登場で1位に。2年前、ベスト100にも入らなかった曲は、87万枚のヒット曲となり、プリプリの人気とバンドとしての存在感を決定的なものにした。

 曲の下敷きになっているのは映画「愛と哀しみの果てに」。85年の米アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた1本は、アフリカの大地を舞台にした、コーヒー園を経営する1人の女性の半生を描いた大作だが、作詞の富田はその中で何度も登場するアフリカの雄大な景色を意識して詞を書いたという。作曲した奥居もこの映画を鑑賞。映画自体は重厚な雰囲気のものだが、奥居はそれを明るいポップなものに仕上げた。

 95年5月31日、日本武道館で解散。アルバム1223万枚、シングル860万枚の2000万枚を超えるレコード、CDの売り上げを記録した。奥居は解散の理由の一つとして「時間の流れとともに音楽は変化するが、プリプリの音楽をこのままの形で残そうと思った」と述べている。2度までもシングルでリリースした「世界で…」はプリプリらしさが一番色濃く出ている、代表曲といえる。

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