365日 あの頃ヒット曲ランキング 7月

【1971年7月】さらば恋人/堺正章 ソロ第1弾 あんなに敷居が高かった紅白が…

[ 2011年7月9日 06:00 ]

「さらば恋人」とともに堺正章が歌ってヒットした73年の「街の灯り」のレコードジャケット
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 ★71年7月ランキング★
1 よこはま・たそがれ/五木ひろし
2 わたしの城下町/小柳ルミ子
3 また逢う日まで/尾崎紀世彦
4 さらば恋人/堺正章
5 砂漠のような東京で/いしだあゆみ
6 17才/南沙織
7 傷だらけの人生/鶴田浩二
8 ついて来るかい/小林旭
9 あなたまかせの夜だから/大木英夫・二宮善子
10 天使になれない/和田アキ子
注目夏の誘惑/フォーリーブス
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【さらば恋人/堺正章】

 グループサウンズで一世を風靡した稀代のエンタティナーは、新たな門出の歌にこれまで歌っていたノリのいい曲ではなく、メロデイックな男の哀愁を漂わせるナンバーを選んだ。

 人気GSバンド「ザ・スパイダース」を解散してソロ活動を始めた“マチャアキ”こと、堺正章のソロ第1弾は数曲の候補の中から、発売直前まで本人がギリギリまで考えた末に選んだ1曲だった。

 オリコンチャートでは最高2位だったが、日本テレビ系「紅白歌のベストテン」の司会を務めるなど、お茶の間にその顔が売れていた影響は大きく、ラジオや有線のベストテンでは1位にもなった。北山修が作詞、ヒットメーカー筒美京平が作曲。親しみやすい曲調は男女年齢を問わずに受け入れられ、この年日本レコード大賞の大衆賞を受賞。ソロ活動はスタートから順調な滑り出しをみせた。

 スパイダースの人気はGSの中でも、沢田研二が所属した「ザ・タイガース」と双璧をなしていたが、堺は独立するにあたって全く新しい挑戦をすることを念頭に置いた。やや長かった髪を短めにするなど、容姿も雰囲気も変えた。

 その変わり様が幸運をもたらした。GS時代、NHKの紅白歌合戦に何度も出演候補として名前が挙がったが、結局出場はゼロ。“品行方正”をモットーとしていたNHKが長髪のスパイダースを出場させるわけにはいかなかった。ところが、ソロになって髪を整えた途端、「さらば…」で紅白初出場が決定。「スパイダースはダメで僕はOK。なんだか妙な気持ちです」。念願はかなったが、その“基準”に釈然としない初の晴れ舞台だった。

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