【田中絹代賞】薬師丸ひろ子　夢のある仕事をしている　高倉健さんを“裏切らぬように”

2023年（第78回）毎日映画コンクール各賞決定 （ 2024年1月18日 ）

田中絹代賞を受賞した薬師丸ひろ子
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　映画史にさんぜんと輝く田中絹代さんの名前が付いた賞に薬師丸ひろ子は「こんなに光栄なことはないし、“ちょっとあなた、頑張りなさいよ”と、そういうお言葉を頂いたんだなと思います」と喜びをかみしめた。

　「流れる」「おかあさん」「西鶴一代女」など、田中さんの出演作をむさぼるように見たのは10代の終わりから20代にかけて。今回、改めて何本か見直したそうで「若い頃には気付かなかった田中さんが飛び出してきました。監督の目を持ってらして、ご自分が主役であるなしにかかわらず画面の中を全て采配できる方」と評する。

　「セーラー服と機関銃」「Wの悲劇」など自身の代表作も尽きないが、45年を超えた女優人生の中では「辞めてやる」と思ったことも一度ならず。それでも乗り越えてこられた理由の一つがデビュー作「野性の証明」で出会った高倉健さんの言葉だったという。

　「いつも“偉いなあ。頑張ってるなあ”と。“大変なことはいっぱいあるけれど凄く夢のある仕事をしているんだよ”とも常々うかがっていた。だから頑張らないことが高倉さんを裏切ることになるんじゃないかと、振り返って正直に思うんです」

　歌手の顔も持ち、ヒット曲も多数。「私の歌というより、もはや皆さんにとって大事な歌になっているから、今もアレンジせず当時のキーのままで聴いていただいています」とニコリ。6年ぶりのアルバムがビクターから24日に発売される。女優と歌手の二刀流、ますます磨きがかかる。