【男優助演賞】宮沢氷魚　即興「自分が演じる意味を」　公私で充実　海外進出も視野

2023年（第78回）毎日映画コンクール各賞決定 （ 2024年1月18日 ）

男優助演賞を受賞した宮沢氷魚（撮影・沢田　明徳）
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　宮沢氷魚が初の男優助演賞に輝いた。「エゴイスト」で鈴木亮平が演じた浩輔の恋人となる龍太を好演。「亮平さんと一緒に受賞できたことがうれしい。ともに作品を作り上げたんだと改めて実感できました」とダブル受賞を喜んだ。

　病気の母を支えるためにトレーナーをしながら、ゲイ向けの風俗店でも働く男性。鈴木とは初共演だったが「初日から亮平さんは浩輔さんとして現場にいた。先頭で引っ張ってくれたので、僕も龍太として乗っかっていけた。初日から凄く近い距離感でしたね」。恋人の空気感は無理なく醸成されていった。

　松永大司監督から「こう演じてほしい」と言われなかった。自分が持つ要素を役柄に与えてみたり、自分の人生に役の経験をあてはめた時にどう感じるか考えたり、役と自分を重ねながら作り上げた。「“こう演じて”と言われたら、ある意味で楽ですよ。でも、それだと自分が演じる意味が生まれないので」。宮沢氷魚だからこそどう演じるのか。それを追求した結果の受賞だ。

　新鮮だったのは松永監督の撮影手法。「即興に近い撮り方。台本もセリフもあるけど、松永さんは“思うようにセリフを言っていいよ”って。自然体でいられる環境で、目の前にいる人とそこで生きることだけに専念ができた」と振り返った。

　4月に30代に突入する。「もっと広い世界を見たい。それが30代の目標」と見据えるのは海外進出だ。パートナーの女優黒島結菜（26）が第1子を妊娠していることも公表し、公私で充実した30代へと入っていく。