杉本昌隆八段「本当に異次元」愛弟子が想像を超える速さで“藤井8冠”に 「羽生九段と対戦で大きな学び」

[ 2023年10月11日 21:25 ]

杉本昌隆八段(左)と藤井聡太王将

 将棋の永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が挑む第71期王座戦5番勝負の第4局が11日、京都市のウェスティン都ホテル京都で行われ、藤井王将が永瀬王座に138手で勝利。3勝1敗で史上初の全8タイトル制覇を成し遂げた。藤井の師匠、杉本昌隆八段(54)が愛弟子の歴史的偉業達成を受け、万感の思いを明かした。

 「藤井8冠を弟子にした10歳の時、将来タイトルを獲るとすぐに確信したんです。でも全冠(当時は7)制覇なんて、そこまでずうずうしくない(笑い)。複数獲るとは思っていましたけど…」

 東海研修会時代から「ポテンシャルはその時点でどの棋士よりも高い」と実感していた。理由は「ひらめき」。特定の局面で浮かぶ第一感の手が「一言で言うと凄く派手。駒を捨てることから考える。そんな手が浮かぶなんて他の棋士にはないだろうな、って」と遠い目で振り返った。

 藤井が5冠だった昨年3月「8冠全制覇はいつ頃か」の問いに「あと3年」と答えた師匠。その予想をはるかに上回る現実を目の当たりにして「本当に異次元です」と息をついた。8冠制覇の要因としては「(主催の)スポニチさんだから言うのではないのですが、やはり今年の王将戦で羽生善治九段と対戦したことで、本人も大きなものを学んだのでは」と分析した。

 今後、藤井8冠を超える棋士は出現するのか。「真の意味で脅かすとすれば、藤井8冠より下の世代でしょう。もしかしたら今、将棋を覚えたての子供かも」。つまり今後しばらくは藤井時代が続くとの予想だ。

 タイトル戦番勝負終了の翌日、本人に祝福電話をかけるのが習慣だった。だが、あまりの頻繁さに防衛時はやめ、奪取時だけに限定した。ということは、今回の王座獲得が最後の機会。「そうですね。明日(12日)電話します」。その表情には至福の喜びと一抹の寂しさが混交していた。

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