【芸人イチオシ】空気階段 ドラマ、映画の出演増加 鈴木もぐらが待つオファーとは…

[ 2023年4月24日 07:00 ]

単独ライブをアピールする鈴木もぐら(左)と水川かたまり
Photo By スポニチ

 2021年にコント日本一決定戦「キングオブコントで優勝したお笑いコンビ「空気階段」の鈴木もぐら(35)と水川かたまり(32)。最近はドラマや映画に出演するなど活動の幅を広げているが、“クズキャラ”でブレイク中のもぐらはバイオレンス映画が大好物で“その筋”からのオファーを心待ちにしている。

 尊敬してやまないのが極悪非道の戦国絵巻「首」(今秋公開)を発表したばかりの北野武監督(76)。とくに96年公開の「キッズ・リターン」がお気に入りで、俳優の津田寛治(57)が演じた中華料理店の息子が憧れの役という。

 津田は、店の常連客で小さな頃から可愛がってもらっていた暴力団の組長の子分になるも抗争相手の組員を殺した若頭の身代わりとして警察に出頭させられてしまう。そんな非情な仕打ちを受ける組員の結末がたまらないという。「子分になったら、すごい面倒を見てくれる感じがするじゃないですか。でも、簡単に替え玉にさせられちゃう。暴力団の恐ろしさがつまったシーンですよね。あの役をやりたいんですよ」。

 貫禄がある暴力団の親分などではなく、若頭の身代わりとして出頭させられる悲しき下っ端組員に憧れるのが鈴木らしい。さすが大のギャンブル好きで遅刻常習魔だけのことはある。これまで磨きをかけてきたクズキャラはスクリーンにピッタリとハマりそうだ。

 コントでは個性豊かなキャラクターを見事に演じているが、芝居の現場に参加することで役者の凄さも体感した。ドラマはカット割りがあり、同じシーンでも角度を変えて何度も撮影することが多い。一発勝負のコントとは大違いで「何回も同じように演じることができる役者さんってすごいですよね。私の場合、最初の演技を覚えてないですからね、一回一回違います」という。

 撮影では演技に感情を乗せることにも一苦労したようで「コントは起承転結があるから、それを最初からやっていけば感情も乗っていく。ドラマは0から100でやらないといけない」と難しさを指摘した。

 衝撃を受けたのは「アクション!」の声で瞬時に役に入る役者の異常なまでの切り換えの早さ。「激怒するシーンで、始まる直前まで笑顔で水を飲んでいたのに“よーい、スタート”の合図で“ふざけてんのかこの野郎”って一気にスイッチが入る」と豹変ぶりに驚嘆。オンとオフの切り換えを何度も繰り返すのは相当なストレスやプレッシャーがかかると分析し「だから俳優の方は銀座とかで豪遊するんでしょうね」と持論を展開した。

 一方のかたまりも今年に入って既に2本のドラマに出演。先月末に最終回を迎えたフジテレビ系ドラマ「罠の戦争」で共演した俳優の草なぎ剛(48)には、もぐらと同じような感情を抱いたようで「草なぎさんは結構シリアスな役柄だったのに撮影の合間はずっとギター弾いて歌っていました」。やはり役者のテンション恐るべしだ。撮影についてはかたまりも、コントでの演技との違いを感じたようで「本当は一連のシーンなのに別々で撮るから、前後の流れも含めて表現しなくてはいけないのが難しいところ」と感想を語った。

 役者としての演技を磨きつつ、これからも活躍が期待される空気階段の2人。遅刻癖があるもぐらが撮影に遅れ、いきなりスイッチの入った大御所俳優から「ふざけてんのか、この野郎!!」と激怒されることがないかだけが心配だ。


 ○…かたまりは今後挑戦したい役についてアクションを希望した。テレビ朝日のバラエティー番組「アメトーーク!」の「踊りたくない芸人」では、不格好なダンスを披露していただけに意外なチョイス。実は学生時代サッカー部に所属しており、踊れないだけで運動神経は抜群。普段、体を動かすこともほとんどないというが「全然いけるんで、アクション出して欲しい」とやる気満々だ。「スパイダーマンやりたい。刀とかも振り回してみたいし、馬にも乗ってみたい。時代劇出てみたいですね」と夢を膨らませた。


 ○…空気階段は5月16日から第6回単独公演「無修正」の全国ツアーを開始する。昨年に続き2度目となる全国ツアーで、8都市を回り過去最高の約2万人を動員。初開催の名古屋、仙台のほか、もぐらの地元・千葉県旭市とかたまりの地元・岡山市での凱旋(がいせん)公演も決定。もぐらは「僕らの単独を見てくれたら、ご先祖様が喜んでくれると思います」と独特な言い回しでアピール。かたまりも「間違いないですね。魂が正しい方向に導かれると思います」と自信をのぞかせた。


 ○…ギャンブル好きとして知られるもぐらは、今月3日に導入開始となったスマートスロット機「スマスロ北斗の拳」に夢中だ。同機は03年に登場し、累計販売台数62万台を記録するなど社会現象となったパチスロ機・初代「北斗の拳」の演出と遊戯性を再現した“リメーク版”。もぐらは「自分がケンシロウになれる。本当にVRケンシロウみたい」と没入感を得られる演出とストーリー性の高さを絶賛。「“北斗の拳”の世界に入って、北斗神拳で敵を倒したら、なぜか景品を沢山もらえるなんて一石二鳥ですよね」と笑顔で話した。


 ○…かたまりはサッカーのイングランドプレミアリーグ・アーセナルのファンで、15年以上同チームを応援している。グーナー(ファンの愛称)になったのは中学生時代で、無敗優勝した03~04年のシーズンをテレビで見ていたことがきっかけ。チームは現在首位に立ち、同シーズン以来の優勝へと突き進む。水川は「アルテタ監督がずっと目指していたサッカーができていて、チームの雰囲気がすごく良いですよね」と好調の理由を分析。「いよいよ悲願の優勝が近づいてきています」と期待を込めた。


 ◇空気階段 2012年結成。キングオブコント2021優勝。

 鈴木もぐら 1987年(昭62)5月13日生まれ、千葉県出身の35歳。ボケ担当。趣味は将棋、麻雀。特技は縄跳び、卓球。

 水川かたまり 1990年(平2)7月22日生まれ、岡山県出身の32歳。ツッコミ担当。趣味は読書と散歩。特技は人の血液型を当てることとテトリス。

続きを表示

2023年4月24日のニュース