「エマ」著者の漫画家・森薫さん 子宮筋腫摘出手術へ 原稿一部未完成で掲載を謝罪、体調不良告白

[ 2023年4月24日 18:48 ]

 アニメ化もされた漫画「エマ」の著者・森薫さん(44)が子宮筋腫の手術を受けることを明かした。「シャーリー・メディスン」を連載する隔月刊漫画誌「青騎士」の「note」にメッセージを寄せ、原稿が一部未完成で掲載されたことについても謝罪した。

 「著者の森薫さんから読者の皆様へ」として、森さんのメッセージを掲載。「今回の原稿が一部未完成の状態で載ることになってしまいましたことをお詫びします。読まれた方はがっかりされたかもしれません。久々のシャーリーのお話を楽しみにしてくださっていた方にも申し訳ない気持ちです。青騎士編集部はスケジュール調整など考えうる限り尽力して下さったのですが力及ばす、こういった結果になってしまいました。青騎士の他の作家さんたちに対しても失礼な事ですし、責任を感じています」と詫びた。

 さらに「もしかしたらお気づきの方もいるかもしれませんが、ここ数回の原稿を満足いくほどに描き切れていません。理由としては体の不調です」とした上で、「2022年の年末あたりから指先にアレルギー性皮膚炎が出て、さらには石灰沈着性関節炎というものも発症し、満足にペンが持てない状況が続いていました。症状があまり良くならない中、今年に入っては可逆性脳血管収縮症候群という急性の頭痛まで出てきてしまいました。痛みと眠気は我慢してはいけないとの信条で、即時病院に行ったのですが、すべて原因は不明で症状を緩和させながら自然治癒を待つほかないとのことでした」と手指の炎症と頭痛に苦しんでいることを告白。原因が思い当たらず、難儀している心境をつづった。

 また「気になったので毎年受けている人間ドックを今年は少し早めに受診したところ、以前より確認していた子宮筋腫がかなり大きくなっていることがわかりました。子宮筋腫はありふれた良性腫瘍で、症状が無ければあっても問題はないとされています。子宮筋腫が全ての症状の原因かはわかりません。まったく関係はないかもしれません。それでもほかに異常は見られないこと、短期間に大きくなっていること(※)、その他にもおそらく筋腫が原因と思われる症状も出ていたため、今後のことも考えて摘出手術をすることになりました。(※事前のMRIの所見では悪性である可能性は低いだろうとのことです)」と明かした上で、「青騎士は隔月誌ですし、月刊誌よりは時間がありますので誌面上ではそれほどお休みしなくても大丈夫かもしれません。とはいえ開腹手術ではありますし、手術後の体調がどうなるか今は分からないことが多いため、様子を見ながら連載に復帰したいと思っています」と手術を受けることを決断した。

 「これまでは手指の炎症や頭痛という痛みの問題はあっても、精神的には元気だったので、描けるのであれば描きたいという欲のほうが勝ってしまいました。その結果未完成の原稿を載せるということになってしまったのですから、楽観しすぎるもの良くありません。体調不良で描きたいだけ描けないというのはもどかしいものです。万全の状態で楽しく描けるように、全力で回復に励むつもりです。連載を楽しみに読んで下っている方には、どうかあまり心配なさらず、少しの間お待ち頂きたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします」と結んだ。

 森さんは2002年に「エマ」でデビュー。ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、階級社会の光と影を描いた同作はアニメ化され、2005年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。また「乙嫁語り」が2014年マンガ大賞、2012年アングレーム国際漫画祭世代間賞を受賞するなど高い評価を得ている。

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