映画の聖地「日劇」消える 来年2月上旬 85年の歴史に幕

[ 2017年9月1日 05:30 ]

来年2月上旬に閉館することになったTOHOシネマズ日劇
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 シネコン大手の「TOHOシネマズ」は31日、東京・有楽町の映画館「TOHOシネマズ日劇」を来年2月上旬に閉館すると発表した。戦前から有楽町のシンボルで娯楽の殿堂として親しまれた「日劇」の名称が、85年で消えることになった。

 1933年に映画とレビューの「日本劇場」としてオープン。ロカビリーブームに乗って、58年から故平尾昌晃さんらが活躍した「日劇ウエスタンカーニバル」が開かれ人気を博した。

 54年の「ゴジラ」以来、同シリーズのシーンにたびたび登場し、「スター・ウォーズ」シリーズは78年の第1弾から全作品を上映するなど、映画ファンにとっては“聖地”。84年に再開発で完成した有楽町マリオン内に3つの映画館がオープンし、多くの作品を上映してきた。

 同社によると、テナントとして入居しており、閉館後の後継テナントは未定。閉館後は日比谷に来年開業し11スクリーンで計約2300席を持つ「TOHOシネマズ日比谷」が営業を受け継ぐ。

 映画関係者は「日劇は長年映画の中心で、人気作品の公開時は建物をぐるりと囲むほど行列ができるなど多くの伝説が生まれた場所。なくなるのは寂しい」と話した。同社マーケティング室は「長らくご愛顧いただいた名称で、残念と思うファンの方もいるかもしれない。ただ有楽町とは目と鼻の先にある日比谷の映画街に役割が移ります」と話している。

 「TOHOシネマズシャンテ」も閉館予定だったが、老舗ミニシアターとして人気で、ファンからの要望を受けて営業を継続する。

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2017年9月1日のニュース