「バイプレイヤーズ」大杉漣 脇役の極意「全然ない」模索し続ける“表現の沼”
「バイプレイヤーズ」名脇役インタビュー(最終回)大杉漣(上)
俳優の大杉漣(65)が、日本映画界に不可欠な名脇役6人による夢の共演で話題を呼ぶテレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」(金曜深夜0・12)を最年長として引っ張っている。“おじさんたちの部活・合宿”と呼んだ約1カ月半の撮影を終え、安堵感とともに「みんなに会えない」と寂しさも吐露。脇役を演じる極意について尋ねると「全然ないですよ〜」と苦笑い。百戦錬磨の大杉をして、芝居は底の見えない、今なお模索し続ける“表現の沼”。その深淵さが垣間見えた。
大杉とともに、遠藤憲一(55)田口トモロヲ(59)寺島進(53)松重豊(54)光石研(55)=アイウエオ順=の6人が“主演”。全員が本人役に扮し、共同生活を送るというストーリーの異色作。中国の動画配信サイトから映画「七人の侍」リメークのオファーを受けた6人は絆を深めるため、シェアハウスで3カ月、一緒に暮らすことに。“おじさんだらけのテラスハウス”の行方、そして10年前に撮影しながら頓挫した6人による映画「バイプレイヤーズ」はどうなるのか…。
昨年12月21日にクランクイン。シェアハウスのシーンは千葉・館山で撮影を行い、今月6日にクランクアップ。大杉は「かなりタイトなスケジュールだったんですが、疾風のごとく走り抜けたという感じでしょうか。若い人とは違うかもしれないですが、おじさんにはおじさんなりの走り方がありまして。僕たちなりの現場への向かい方を貫けたと思います。ホッとしたという安堵感と、もうみんなに会えないんだという寂しさと…それぐらい濃密な時間だったものですから、両方の気持ちがあります」と振り返った。
6人を特集した2002年秋の映画祭「6人の男たちフィルムズ」(東京・下北沢)から、10年後の雑誌対談を経て、14年越しで実現した奇跡の共演。「ドリマックスさん、テレビ東京さん、よくぞ今回の企画を立ち上げてくださいました。これがなければ、6人の新しい出会いはなかったものですから」と感謝した。
精力的な仕事ぶりから“300の顔を持つ男”の異名を取ったバイプレイヤーの代表格。脇役を演じる秘訣は?と水を向けると「全然ないですよ〜」と苦笑いしながらも、約45年のキャリアを積んで到達した境地を明かした。
「自分の人生をどう生きるかということと役者は非常につながっているという考え方をしているものですから、セリフ1つにしても、こいつは普段どういう生き方をし、どういうふうに日々を過ごしているのかということが写し鏡のように出てくる。それが演技という作業だと思っています。65歳になっても、こんなにフワフワしていて、今まで自分の中で“これでよし”なんていう確信めいた答えがあったかどうか、分かりません。本当に一生懸命、1本1本の作品とちゃんと向き合うことしかなかったと思います」
小津安二郎監督の「東京物語」「秋刀魚の味」などで日本映画史に刻まれる名優・笠智衆さんの著書「あるがままに」(1992年刊)に感銘を受け、座右の銘は「あるがままに」。笠さんは「この本のタイトルは『あるがままに』というのですけれど、何をやっても“自然体”に見える――これは、僕がずっと心がけてきたことです」と記している。大杉も「その瞬間のリアリティーを感じていたい」という。「僕はまだまだ駆け出しのようなところがありますが…」と前置きしながら、滔々(とうとう)と言葉を紡ぐ。
「やっぱり表現って、どこに行っていいか分からない世界なんだと思うんです。僕はよく“表現の沼”とか“表現の海”とか言うんですが、昔は演技がおもしろいかどうか分からず、その水たまりの中に足首が浸かり、膝が浸かり、腰が浸かり、今は全身が浸かっているのかもしれないですが、それでも、さっき申し上げた自分なりの走り方じゃないですが、それができれば、たまにはプカッと浮いてみたりですね。今の世の中、割とハッキリ白黒つけないといけないみたいな風潮がありますが、特にインターネットの世界はすぐに答えが分かるような世界じゃないですか。ただ、僕らの世界はクリックしてもクリックしても次の課題が出てきて。クリックというのも変ですが、現場、現場という意味合いでしょうか。クリックしてもクリックしても、現場を経験しても経験しても行き着くところはないんですね。この世界に身を置いている宿命と申しましょうか。“これだ”というものを見つけられたとしても、ある日、急にそれが指の間からこぼれ落ちるような世界ですから。だから1本1本の作品にきちんと向き合って、やっていくしかないんだと思います」
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