「キャプテン」復活 再現される故ちばあきお氏の“線”と“心”
1970年代に描かれた野球漫画「キャプテン」が連載を再開すると聞き、2月15日付スポニチ本紙に掲載した。
ここ数年、多くの名作漫画が続編を発表しているが「キャプテン」復活はどんな作品も上回る驚きがあった。なぜなら作者ちばあきお氏が既に他界しているからだ。作・画ともコージィ城倉氏が担当。「グラゼニ」など野球漫画を数多く手掛け、漫画家として原作者として引っ張りだこの人気作家だ。
あきお氏の兄で「あしたのジョー」で知られる漫画家ちばてつや氏にも話を聞いた。「あきおが亡くなり、もう33年ですか。早いですね。描いてくれる人が出て来てくれて、あきおも喜んでいると思います」とうれしそうだった。
ちなみに熱心なファンはお気付きと思うが、描かれるのは、正確に言うと「キャプテン」のスピンオフ作品「プレイボール」の続編だ。「プレイボール」は「キャプテン」の登場人物の高校進学後を描いた作品。報道が“キャプテンの続編”で統一されたのは「キャプテン」の知名度がより高いためだ。
てつや氏によると、自身が続編を描こうとした時期もあったようだ。ただ「当時、僕の絵がリアルな方向に行ってしまい、あきおの温かい線を描くことができず断念した。じくじたる思いでした」と明かした。あきお氏のアシスタントによる再開計画もあったという。
なぜ「プレイボール」の続編が、それほど望まれたのか?あきお氏は84年、ボクシング漫画「チャンプ」連載中に41歳で亡くなった。「プレイボール」はその6年前の78年に描き終えている。
だが、やや唐突に終わった印象がある。出版元の集英社によると「主人公の谷口が高3に進級してすぐ終わった」とのことだ。ということは、後輩の丸井、イガラシが同じ野球部に入り、最後の夏に向けて「さぁ、これから」という場面で終わったことになる。
当時のあきお氏は「キャプテン」を月刊少年ジャンプ(集英社)に、「プレイボール」を週刊少年ジャンプ(同)に連載し、精神的に疲弊していたとも聞く。
てつや氏は「あきおなりに考えたラストです」と評したが、これは弟を思う優しさかもしれない。「途切れたままになっていたから、寂しく思っていた」とも話した。
「プレイボール」は間違いなく名作だ。だが多くの人が「終わっていない」と感じている。物語を終わらせるのは、作者の責任でもある。てつや氏も、そう考えるからこそ再開を喜んでいるのではないだろうか。
「早く亡くなったけど、あきおは素晴らしい作品を数多く残した。あきお独自の世界を作っていたと誇らしく思う。褒めてやりたい」と話すてつや氏。「プレイボール」をきちんと終わらせ、ファンの心に残すことは、あきお氏の供養に近い意味があるのかもしれないと感じた。
名作の復活は、それが多くの人に愛された作品であるほど反対の声も大きくなる。その思いも分かる。ただ「プレイボール」に関しては、いち読者として谷口タカオの“最後の夏”が気になる。
あきお氏なら、どう描いただろう…その思いは消えないだろう。でも、それでいいとも思っている。コージィ氏は取材に「あきお氏なら、どう描くか考えて描く」と話した。記者も「あきお氏ならこう描きそう」「いや、ここはこう描くんじゃないか?」と考えて楽しめばいいと考えている。
「極端に言えば、ストーリーより、テイストが大事なのかもしれません」とのコージィ氏の言葉も印象的だった。記者も、谷口や丸井、イガラシらが、あの泥臭い昭和40年代の景色の中でひたむきに野球に打ち込む世界観が好きなのかもしれない。
コージィ氏の描いた「キャプテン」を見て驚いた。あきお氏そっくりだ。「似せて描きましたが、あきお氏の線は簡単なように見えて、とても難しい線」という。
大の「キャプテン」ファンであるのはもちろん、非常に柔軟な発想と、鋭い分析力を持つ作家だ。てつや氏がいう「あきおの“線”と“心”を再現してくれる」との言葉も単なるリップサービスではない。いつのまにか、あきお氏のキャプテンを読んでいる気にさせてくれるのではと期待している。(記者コラム)
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