錦戸亮「引き出しが増えてきた」俳優業は“1人での勝負の場”

[ 2015年10月13日 12:33 ]

 関ジャニ∞でデビューして今年11年目の錦戸亮(30)。5年連続で連続ドラマに主演するなど、人気俳優としての地位を着実に築いている。目を引かれるのは整った顔立ちと、柔らかい笑み。だが、その内側にはごつごつとした武骨な一面が秘められている。

 今月23日にスタートするテレビ朝日の主演ドラマ「サムライせんせい」(金曜後11・15)で演じるのは、自身の理想像を体現したような男だ。坂本龍馬の兄貴分として活躍した土佐藩(高知県)の藩士・武市半平太。現代にタイムスリップしてしまうが、羽織はかまやちょんまげをやめようとしない生真面目な侍。「建前も気にせず、自分の思ったところをズバズバと言って信念を貫く。自分の中で明確な答えがあるからこそ、できることでしょうね。男らしい」とほれ込んでいる。

 実在の武市は極めて愛妻家だったことでも知られる。「素敵じゃないですか。見習えたらいいですよね」とニヤリ。この部分もお手本になるだろう。

 演じるには難しい役だ。侍だが、舞台は現代。一人だけ時代劇の演技をしながら、現代人と触れ合っていかなければいけない。「武士らしさが何よりも大切な作品なので、武士独特の所作は練習しました。ただ、時代劇とは違うかなと僕は思ってる。時代劇にとらわれすぎるのではなく、ハートを大切にして、いい感じのあんばいを探していきたい」。主人公と周囲の習慣や文化だけでなく、心情のギャップによる笑いを生み出すことを狙う。

 俳優としての成長が試される作品でもある。2010年の初主演映画「ちょんまげぷりん」で演じたのが現代にタイムスリップし、パティシエになる侍役。今回とよく似た設定だった。その後の5年間でドラマ7作、映画4作に出演。「悲しい場面で悲しい顔しかつくることができなかったのが、別な表情をつくってほしいと言われることの意味を理解できるようになった。いろんな引き出しが自分の中で増えてきた」。それだけに「どれだけ成長できているか、自分の中では挑戦。当然“ちょんまげプリン”を超えなきゃいけない」と気合を込める。

 中学生の時にジャニーズ事務所に入り、歌、演技、バラエティーと多彩なジャンルで活躍。その中で、俳優業は「1人での勝負の場」と位置づけてきた。「(関ジャニ∞とNEWSの)2つのグループに所属していたこともあって、グループ名が外れるのは俳優をしてる時だけだった。だから、俳優の仕事をしている時は“1人”というのを強く感じてきました」

 連続ドラマには5年連続で主演し、映画も「抱きしめたい」などで主演。視聴率や興行収入などの結果を背負う立場にもなった。「結果のことだけを考えるのは違う。でも、絶対に無視したらいけないこと。できる限りのベストを尽くすしかない」。頼もしい一面を見せたかと思うと「でも、(結果が出なくても)切腹はしませんけどね」と笑う。精悍(かん)なのに愛らしい。魅力的なツンデレ侍が誕生しそうだ。

 ◆錦戸 亮(にしきど・りょう)1984年(昭59)11月3日生まれの30歳。大阪府門真市出身。97年にジャニーズ事務所入りして、関西ジャニーズJrで活躍。04年、NEWS、関ジャニ∞の一員としてCDデビュー。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」、フジテレビ「1リットルの涙」、TBS「流星の絆」などドラマに多数出演。10年「ちょんまげぷりん」で映画初出演で初主演を飾った。

 ▼サムライせんせい 黒江S介さんの同名コミックが原作。幕末土佐藩士のリーダー、武市半平太が150年後の日本にタイムスリップ。群馬の田舎町にやって来る。親切な男性に助けられ、学習塾の先生をしながら居候することになり、侍ならではの方法でさまざまな問題を解決していく。比嘉愛未(29)、神木隆之介(22)、ジャニーズWESTの藤井流星(22)、黒島結菜(18)らが共演する。

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