M―1優勝は?「プラスマイナス」舞台数ナンバーワンの実力

[ 2015年9月3日 13:30 ]

単独ライブを終え、ルミネの楽屋でくつろぐプラスマイナスの岩橋(左)と兼光

 「いや~っ、大丈夫でしたかね?いつもと違う雰囲気だったんで、ちょっとフワフワしました」。「ほんまに大丈夫でした?」。8月下旬、ルミネtheよしもとでの単独ライブ終わりで楽屋をのぞくと、お笑いコンビ「プラスマイナス」の岩橋良昌と兼光貴史はそう言って笑った。

 披露したネタは、漫才10本にコント1本を挟んでの計11本。若い女性ファンが多く集まる通常のルミネ公演とは違い、この日は個人で声をかけて呼んだファミリー層の客が多かった。普段、劇場に足を運ぶことのない観客を前にしてのセンターマイク勝負。「大丈夫でしたかね?」は、そういう意味だった。ただ、2時間弱のライブは尻上がりに笑いの量が増えていった。

 10本の漫才のうち完全な新作は2本。残りは、これまでの6~7年間で作って寝かせていたネタをリニューアルした。目を引いたのは兼光のボケに、微妙に間違えたツッコミを続ける岩橋。同じようなやりとりの繰り返しで客席の笑いがジワジワふくらんでいく。昔、「ほんまに、ほんまに、ほんまでっせ~」のフレーズだけを10分以上繰り返し、客の笑いが止まらなくなった月亭可朝の伝説を思い出した。

 「これまでのベストアルバム的なライブになりました。普段は兼光がネタの骨組みを作ってボクが肉付けする感じです。兼光が作曲してボクが編曲のような。ハハハ、ぼく何言うてるんですかね」(岩橋)

 このルミネでの初単独ライブも実力でもぎ取った。過去3回実施されたルミネの100ステージ争奪オールナイトトーナメントで2度優勝。約30組が参加したサバイバル戦で、若い女の子からの「ワーキャー」人気がないプラスマイナスが優勝した。そのパンチ力を見込んで単独開催を劇場からオファーされた。

 優勝したご褒美のルミネ100ステージは約3カ月間で消化。ほかにも、なんばグランド花月によしもと幕張イオンモール劇場など舞台に出ずっぱりで、「1日平均で3ステージは立ってます。8月は全部で90ステージくらい出ましたね」(岩橋)。多い時は1日6ステージをこなしたこともあるという。

 コンビ結成12年の彼らが目指すのは、今年復活するM―1グランプリである。すでに予選がスタートしており、関西では順当に「学天即」「吉田たち」ら有力コンビが2回戦に進出。若手をよく知る放送作家に聞くと、「関西では和牛、アキナが手堅い。あとはキングオブコントの決勝に残っているコロコロチキチキペッパーズなんかも力をつけてます。デルマパンゲも面白い」という。

 関東では昨年のTHEMANZAIのファイナリストである「馬鹿よ貴方は」らが参戦。芸人らの間で「あいつらはすごい」と評判の「ランジャタイ」(フリー)なども勢いがある。今年はアマチュアの参戦が少なく、プロの割合が増えている。「ハイレベルな戦いが続いている。1回戦ながら客席も連日満員」(主催者側)と盛り上がっている。

 M―1で優勝する近道は「世間に実力がバレていない」ということも大きい。審査員にもインパクトを残せるからで、決勝初進出で頂点に立ったブラックマヨネーズ、サンドウィッチマン、NONSTYLE、パンクブーブーらが当てはまる。

 今年の出場者の中で、劇場に立っている数を考えると、プラスマイナスがダントツで多い。「最近は漫才漬け。漫才をやりすぎて、何を言ったら客が笑うのかわからなくなっているんです」(岩橋)というほどだ。

 ひとつだけ問題があるとすれば、緊張状態に陥った時の岩橋のクセか。やってはいけないと思えば思うほど、やってはいけないことをしてしまう。テレビ番組の企画で十数時間かけて並べたドミノを蹴り倒したこともある。「客席にダイブしたらアカンと思いすぎたら、ダイブしてしまいそうで怖いですね。昔、東野幸治さんに“決勝に残って、もしダイブしたら1000万円は手に入らへんけど、オレが10万円やる”って言われましたわ。ハハハ」(岩橋)。

 TBSのバラエティー番組「10カラット」で彼らを見て、うめだ花月の楽屋で初めて取材してから10年。そろそろプラスマイナスがやって来るのではないか。「今年の出場資格はコンビ結成15年以内。ラストチャンスの気持ちでやります。機は熟したと思ってます。とにかく普段通りに出来たらいい。あとは相方のメンタルですかね、ははは」(兼光)。

 コンビ仲の良さが見た目からにじみ出るのも◎。舞台に立った数はウソをつかない…なんてことはあるのか。年末の決勝に誰が勝ち上がるのか、楽しみに待ちたい。

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