小松菜奈 難役“魔性の美少女”怪演でスポニチグランプリ新人賞

[ 2015年1月21日 05:30 ]

スポニチグランプリ新人賞を受賞し笑顔を見せる小松菜奈

 2014年(第69回)毎日映画コンクールの各賞が20日、決定した。将来性を感じさせる若手に贈られるスポニチグランプリ新人賞には「渇き。」の小松菜奈(18)と「ホットロード」の登坂広臣(27)が選出された。表彰式は2月10日、川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールで行われる。

 映画デビュー作で挑んだ“天使と悪魔の顔を持つ女子高生”という難役での受賞。小松は「聞いた瞬間、固まっちゃいました。まさか、賞を頂けるなんて」。端正な顔立ちに愛らしい笑みを浮かべて喜びをあふれさせた。

 深町秋生氏の小説「果てしなき渇き」が原作。容姿端麗で成績優秀だった娘が失踪。元刑事の父親(役所広司)が捜し回るうちに娘が同級生を麻薬や売春に誘い込んでいたことが明らかになっていく。

 本心を明かさないまま、周囲を翻ろうしていく謎めいた役どころ。オーディションで出演が決まった後は、地元の山梨と東京を行き来しながら演技レッスンを積み、撮影に入った後も試行錯誤は続いた。

 「父親に暴行されながら、フッと笑う場面があったんです。でも監督に“わざとらしい”と言われて、全然OKをもらえなかった。周りもシーンとしちゃって…」。そんな時、救いになったのが役所の「考えずにやった方がいい」というアドバイス。「それで緊張がスッと抜けました。でも、今のはダメだと思ったのが、監督に“良かった”と言われたんです」。こうして作り上げていった“魔性の美少女”ぶりが高く評価された。

 小学6年の時に雑誌のモデルになり、その後はミュージックビデオやCMなどでも活躍。クールビューティーを思わせるルックスだが、素顔は「食べることが大好き!」という普通の18歳だ。「(立ち食いそば店の)富士そばが好きで、よく行きます。一品じゃ物足りなくて、そばとご飯ものがないと嫌なんです」と天真らんまん。自然に囲まれた山梨育ちで「小さなころはお兄ちゃんと毎日、川遊びや温泉に行ってました」と明かす。

 役柄同様、外見と裏腹な内面を持つミステリアスな新人女優。「すてきな環境の中でデビュー作を飾れたから、新人賞をもらうことができた。もっと勉強して、いずれ女優としての賞を獲りたい」。映画界を背負って立つ“大器”の誕生だ。

 ◆小松 菜奈(こまつ・なな)1996年(平8)2月16日、東京都生まれ。08年からモデルとして雑誌を中心に活動。映画「近キョリ恋愛」などに出演。今年10月公開の映画「バクマン。」ではヒロインを務める。高校ではチアリーディング部に所属。血液型O。

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