熊切監督 留学先で吉報「素直にうれしい」俳優陣に感謝

[ 2015年1月21日 05:30 ]

毎日映画コンクール日本映画大賞の喜びをスカイプを通して語る「私の男」の熊切和嘉監督

2014年(第69回)毎日映画コンクール 日本映画大賞

 文化庁新進芸術家海外研修制度で仏パリに留学中の熊切和嘉監督(40)は栄えある大賞に「予想していなかったので素直にうれしい」と、スカイプを通して笑顔を見せた。

 桜庭一樹氏の直木賞受賞作「私の男」を映画化。父と娘の禁断の愛を、時代の流れに沿いフィルムやデジカメを駆使して情念たっぷりに銀幕に焼き付けた。「奥尻島を襲った津波や拓銀の破綻など、90年代の北海道に起こった負の出来事を背景に、普通に見える父娘が、ふいに男と女に見える瞬間を映したかった」

 浅野忠信をはじめ俳優陣も迫真演技で応えた。「映画の勝負どころ」と振り返った流氷のシーンに、二階堂ふみは「“死ぬ気で来ました”と言ってくれた」と感謝した。

 週刊紙襲撃事件で騒然のパリ。アパートのそばにも警備の兵士の姿。「断固として表現の自由を守ろうとする姿勢。フランス革命の国だなと実感しています」と生々しくリポートもしてくれた。表彰式には一時帰国する。

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2015年1月21日のニュース