佐村河内氏を告発 神山典士氏「彼のレトリックは詐欺師のモノ」

[ 2014年3月7日 15:09 ]

騒然とする佐村河内守氏会見の会場
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 作曲家偽装問題の渦中にあり、「両耳の聞こえない作曲家」として知られた佐村河内守氏(50)が7日、都内で記者会見を開いた。多くの報道陣の中には、騒動の発端となった「週刊文春」での告発記事を執筆した ノンフィクション作家の神山典士氏の姿も最前列にあった。

 会見前は「もうちょっと誠意ある言葉が聞けると思ったし、この騒動の中で出てくるということで多少なりとも評価するものがあった」と期待をする部分もあったという神山氏。約2時間半の会見を見届け「内容を聞くと全く誠意が感じられない。謝りながら名誉毀損(きそん)とかむちゃくちゃな論理。今日は本当のことを言うかと思ったが、全く真実はなかったと思います」とあきれ顔で話した。

 佐村河内氏は事あるごとに新垣氏への反論を繰り返した。「一番嘘をついたのは自分であるにもかかわらず、嘘の構図の中での2人のやりとりでいろいろあったと言いたいのであろうが、大前提が嘘で虚構。それは論理的にも成立しない。それに彼はここにおらず、反論もない中で断定的に言い切るという彼のレトリックは詐欺師のモノだと思う。いちいち新垣さんを出さないと自分の存在、やってきたことが証明できないという構成の仕方はあり得ない」と断罪した。

 佐村河内氏は新垣氏だけでなく、告発記事を書いた神山氏も含めて「名誉毀損で訴える」と発言。これについては「どういう名誉をお持ちなのかを聞きたい。これから弁護士さんに相談するんでしょうけど、僕としてはあり得ない。(裁判で)戦うも何も彼が全てが虚構でしたと認めているわけですから、その上で彼が何をやろうとしているのかわかりません」。

 神山氏からの質疑では声を荒らげ、感情が高ぶる場面もあった。時には手話通訳を介してないように思われるシーンも見られた。聴力の問題は「本人の認識の問題」と明言を避けたが「僕もそう(通訳を介していないのではと)思いました。手話はタイムラグがないとおかしい。僕は敢えて普通のペースで話したが、途中で言葉を遮ってもそれに付いてこられてしまう、それが彼の役者としての未熟さだなと」。

 今後もこの問題について「追究はしていきたい」と話した神山氏。「なぜ彼がこんなことを思いつき、なぜ意思を持って18年間続けてきたのか、わからないことがある。わからないことがある以上、追究はしていきたいが、本人がインタビューを受けてくれないと難しい。そこのところはこじ開けていきたい」と話した。 神山氏は先月6日に行われた佐村河内氏のゴーストライターとして18年間作曲活動をしてきた桐朋学園大非常勤講師の新垣隆氏(43)の会見にも同席していた。

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2014年3月7日のニュース