阪神・才木 2勝目お預けも自己最多11K「いいボールがいっている証拠」村上斬った自信の奪三振ショー

[ 2023年4月10日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神1―1ヤクルト ( 2023年4月9日    甲子園 )

<神・ヤ>6回、村上を空振り三振に抑え、雄たけびを上げる才木(撮影・北條 貴史)
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 阪神・才木は自己最多11奪三振よりも、1失点を悔やんだ。表情をゆがませたのは7回だ。1死から安打と四球で招いた2死一、二塁から代打・川端にカウント2―1から真ん中付近の直球を右翼線へ打ち返され、同点を許した。「こういう試合で追いつかれるのは悔しい」。後続の丸山和を中飛に打ち取り、最少失点でマウンドを降りた際も膝にグラブをたたきつけた。

 白星を逃しても、圧巻の投球だったことは紛れない事実だ。「イニングを投げ切れたのは良かった。真っすぐ、フォークも良かった」。初登板初勝利で発進した2日のDeNA戦から中6日で7回1失点。疲労が残るどころか最速153キロの直球は威力を増し、フォークも鋭く落ちた。初回を3者連続三振を奪って滑り出し、2~4回には5者連続の空振り三振もあった。

 3回先頭の長岡に対しては「真っすぐは張ってきている。そこでタイミングを変えたりもした」と無走者の場面で初めてクイック投法を使い、直球で空振り三振に仕留めた。中軸3人には計9打席で1安打で圧倒。特に3月19日のオープン戦で甘くなった内角直球を左越え被弾したオスナには、あえて内角球を見せ球として投げ分け「梅野さんがうまく配球してくれた」と感謝した。

 20年11月の右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称・トミー・ジョン手術)から復帰した昨季は8度の先発登板で、最も短くても9日間の間隔を空けた。公式戦では4年ぶりに体感する中6日で114球は術後最多。1年間を通して先発ローテーションを守り抜くための第一歩は力強く頼もしい。「三振が取れているのは、いいボールがいっている証拠。継続して、あとは、しっかり0点で帰ってこられるようにやっていきたい」。志は果てしなく高い。(石崎 祥平)

 ○…才木(神)が前回2日のDeNA戦から中6日で先発。昨季は右肘の手術明けを考慮され、先発時の登板間隔は9日以上が空いていた。中6日で先発するのは、19年4月24日DeNA戦(◯5回1/31失点)→5月1日広島戦(◯5回2失点)以来。

 ○…奪三振は自己最多の11。プロ初完封だった22年9月1日広島戦まで過去3度あった9を更新した。

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2023年4月10日のニュース