広島・新助っ人デビッドソン 8戦4発「7戦5発」ランスの再来「持ち味を存分に発揮」新井監督評価

[ 2023年4月10日 06:30 ]

セ・リーグ   広島4―2巨人 ( 2023年4月9日    マツダ )

<広・巨>4回、デビッドソンはソロを放つ(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 広島が開幕4連敗からの4連勝で勝率5割に復帰した。9日の巨人戦は4回にマット・デビッドソン内野手(32)が2試合連発の4号を放つなど着実に得点。球団助っ人の開幕「8戦4発」は87年ランスの「7戦5発」以来の好発進だ。投打がかみ合い、新井貴浩監督(46)は手応えを深めた。

 開幕4連敗から一転、4連勝で一気に勝率5割まで戻した新井監督は真っ赤に染まった本拠地に笑顔で一礼した。

 「本当に、この4連勝は選手たちがよく頑張ってくれたと思う」
 投の主役が粘投の玉村なら、打の中心は新外国人のデビッドソンだ。2―1の4回先頭で赤星の直球を右翼席へ。期待される長打力を2戦連発で示し、両リーグ単独トップに立つ4号で勝利を決定づけた。

 「チームとして勝てたことがうれしい。打席の方で勝利に貢献できたと思う」

 開幕から8戦4発。計5安打のうち残る1本も左翼フェンス直撃の二塁打で、長打しか打っていない。打率・217と長打率・783が示す特長。左右の違いがあっても、重なるのは加入1年目の87年に本塁打王を獲得したランスだ。開幕7戦5発で滑り出し、88安打で39発。再来を予感させる一撃必殺の強打に「安定感が少し出てきた。ボールも見えていて、しっかりバットも振れていると感じる。継続を心がけていきたい」と声を弾ませた。

 2日のヤクルト戦から6試合連続打点へ伸ばし、こちらは00年ロペスが記録した球団助っ人最長8試合に迫る勢いだ。同僚マクブルームの31歳の誕生日にも花を添えた。試合前にはチームメートとともに誕生日ケーキを贈って祝福。当初は試合後に食事に誘い出すプランを練っていたという。家族が来日中と聞き、「彼たちの時間を邪魔したくないので、今日は外食せずにいようと思う」と心遣い。新助っ人も、しっかり一丸の輪にいる。

 本塁打以外は3三振でも、新井監督は強く背中を押した。「三振を気にせず、どんどん振っていってくれと。(単打なしは)スゴいですね。持ち味を8試合で存分に発揮してくれている。本塁打は(試合の)流れや空気を変えられる。そこを彼には期待している」。11日からは貯金突入を目指し、敵地で中日との2連戦。“当たれば飛ぶ”大砲を6番に加え、赤ヘル打線が活気づいてきた。(長谷川 凡記)

 ◇マット・デビッドソン 1991年3月26日生まれ、米カリフォルニア州出身の32歳。09年ドラフト1巡目追補(全体35位)でダイヤモンドバックス入団。13年8月にメジャーデビュー。同年12月にホワイトソックス移籍。レッズなどを経て、昨季は古巣のダイヤモンドバックスとアスレチックスでプレー。メジャー通算311試合で打率.220、54本塁打、157打点、381三振。1メートル90、104キロ。右投げ右打ち。

 ▽ランス 本名はリチャード・アンソニー・ランセロッティで、ランスは登録名。1987年に広島入り。開幕戦を「4番左翼」で迎え、4試合目の来日初本塁打から4戦連発。6月9日からは球団記録の6試合連続本塁打も樹立した。最終的にリーグワーストの114三振、88安打、打率.218の39本塁打でタイトルを獲得し、両リーグを通じて本塁打王としては史上最低打率。

 ○…広島は開幕4連敗の後、4連勝で今季初の勝率5割。巨人との同一カード3連戦全勝は昨季7月15~17日の東京ドーム以来。マツダスタジアムでは21年10月8~10日以来2年ぶり。巨人戦1~3回戦全勝は04、05、12、17年に続く5度目。

続きを表示

2023年4月10日のニュース