阪神 岡田野球をもっとも熟知する一人、平田ヘッド 開幕スタメンを外れた選手にかけていた言葉

[ 2023年4月10日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神1―1ヤクルト ( 2023年4月9日    甲子園 )

<神・ヤ>延長11回、二塁打を放ち、激走する木浪(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 【畑野理之の談々畑】阪神・木浪聖也が放った3安打に意地をみた。1―1に追いつかれた直後の7回先頭に中前打。9回も先頭で中前打を放ち、11回1死からも一塁線を破る二塁打で、何度もサヨナラの好機を演出した。

 春季キャンプ、オープン戦と遊撃のポジションを小幡竜平と争ってきたが、開幕スタメンは奪われた。初めて先発出場した8日のヤクルト戦は3打席に立って四球、三ゴロ、犠打の1打数無安打だったが、2試合連続スタメンのこの日は二塁打の際のヘッドスライディングなど、試合に勝ちたい、そしてポジション争いもまだ諦めていない…の思いが強く伝わってきた。

 開幕3・31、京セラドームでのDeNA戦。平田勝男ヘッドコーチがいち早くグラウンドに出てきて、練習開始前にその日、スタメンから外れた選手に言葉をかけていた。木浪、坂本誠志郎、原口文仁、糸原健斗…。「ポジション争いは今日で終わりじゃない。1年間、ベンチみんなの力が必要になる時が必ず来るから、頼むぞ」。彼らはみんな、ここまで結果を出して期待に応えてくれている。

 平田ヘッドには、星野仙一監督の名参謀だった島野育夫ヘッドコーチの教えがある。「いつも試合に出ている選手は見ているだけでいいんや。ベンチスタートの選手たちにも頑張ってもらわないと優勝はできない」――。この日も4時間29分を戦い終えて野手でベンチに残っていたのは捕手の坂本と長坂拳弥、外野手の島田海吏の3人だけだった。

 岡田監督は木浪や板山の先発起用に関して、「1年間、ベンチ入りみんなでやっていかないといけないわけやから」と説明した。その中での木浪の強烈なメッセージには「また考えなアカンな」うれしそうだった。

 一方でこの日、右翼で初スタメンだった板山祐太郎、8日に同じく初スタメンだった島田はいずれも無安打に終わったが、やはりこの日に決着はさせない。ルーキーの森下翔太が不振に陥ったとき、休養が必要なときに、必ずチャンスは何度もおとずれる。05年のリーグ優勝時にも仕えていた平田ヘッドは岡田野球をもっとも熟知する一人。だから、また板山や島田らも奮起させていく。

続きを表示

2023年4月10日のニュース