阪神 死闘ドローで首位浮上お預け 2度の好機で三振の佐藤輝に岡田監督「ボテボテでも打て…と思うけど」

[ 2023年4月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―1ヤクルト ( 2023年4月9日    甲子園 )

<神・ヤ>6回、佐藤輝は三飛に倒れる(撮影・大森 寛明)
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 阪神・岡田彰布監督(65)が佐藤輝明内野手(24)に先発外しの“脅し文句”を並べて奮起を求めた。勝てば21年9月21日以来の単独首位だった9日のヤクルト戦は延長12回引き分け。打線は4試合34イニングにわたって適時打がなく、特に佐藤輝は2度の好機でいずれも空振り三振だった。リーグ2連覇中の王者との今季初対戦は1勝1敗1分けで互角の勝負。猛虎が軌道に乗るには左の大砲の目覚めが欠かせない。

 黄色く染まったスタンドから、歓声よりもため息が多く聞こえた。再三の好機で、あと一本が出ず、今季両リーグ最長4時間29分の延長12回引き分け。佐藤輝が特にブレーキになった。

 初回1死満塁で吉村の高めつり球に空振り三振。同点の8回無死二塁は清水のフォークにバットがあっけなく空を切った。いずれも得点に結びつけられず、岡田監督はあきれ返った。

 「三振は何にも起きんもんな。ボテボテでも打て…と思うけど」
 開幕から不動の5番として送り出しても、なかなか目覚めない。打点は犠飛で挙げた1点のみ。特にチャンスで貝になり、得点圏は12打席で7打数無安打(1犠飛、4四球)の打率・000。4試合34イニングにわたるチームの深刻なタイムリー欠乏症に、悪い形で貢献している。

 「みんなそうやけど、余計に目立つわな。チャンスがあそこで回ってくるからな、結局は」

 ノーステップ気味に打つ取り組みや、過去2年にはなかった四球を選ぶ姿勢を評価しながらも、求めているのは、勝利に直結する一本だ。打率・160の低空飛行に、開幕8戦目で早くもしびれを切らした。「渡辺(諒)がいないんよ。それだけよ。ちょうど熱が出て。そら打てんかったら外すよ。しゃあない」。発熱と喉の痛みで7日に「特例2023」の対象選手として登録外。仮に右打ちの内野手が健在なら、三塁で使っていた…と脅し文句を並べた。

 3試合を振り返れば、2連覇中の王者との今季初対戦で1勝1敗1分けの互角の戦いをし、貯金3を維持した。悲観材料ばかりではないものの、気持ち良く点が取れない現状に、「どっちかっていうと拙攻のゲームやんか。打つべき人が打ってないから、こういうゲーム展開になるだけ」と嘆きは止まらなかった。やり玉に挙げられた佐藤輝は「切り替えて頑張ります」と11日の巨人戦からの奮起を誓った。岡田流のゲキは効くのか。主砲の復調なしに猛虎は上昇曲線は描けない。(倉世古 洋平)

<岡田監督 佐藤輝への称賛?苦言?>
 ★22年11月12日 秋季キャンプ合流初日の動きを「(プロに)入ってきた時が一番良かったんちゃう?」と酷評。
 ★23年2月1日 キャンプ初日はフリー打撃で柵越え0本。「(打つ)ポイントが悪い」
 ★同2日 フリー打撃柵越え14本。「(本来の)姿らしきものを見たな」
 ★同27日 対外5試合で打率.350、8打点でキャンプを終え、「ゲームの見た目は良くなった」。
 ★3月2日 甲子園でフリー打撃を見守り「こっち(関西)帰ってきてから調子ええなあ」。
 ★同22日 4番・大山とともに不調で中軸固定撤回も示唆。「打ってるの、6番以降ばっかりやん」
 ★同23日 オープン戦1号の大山とともに「今はあいつらが引っ張るしかないやんか。そやろ?他に誰がおるんよ」。
 ★同31日 開幕戦で初安打が先制に絡み「早いうちに打ってもらわないとダメな(大山と)2人にヒットが出たので楽になった」。

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