世界一アストロズ MVPペーニャ「ずっと夢見てきたこと。ヒューストンの人たち、大好きだよ」

[ 2022年11月6日 17:02 ]

MVPに輝いたアストロズ・ペーニャ(AP)
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 ワールドシリーズ(WS)第6戦は5日(日本時間6日)、ヒューストンのミニットメードパークで行われ、アストロズが6回にヨルダン・アルバレスの3点本塁打で逆転勝ちし、4万2958人の満員のファンの前で、2017年以来の2度目のWS制覇を成し遂げた。MVPにはジェレミー・ペーニャ内野手が新人野手として初の栄誉に輝いている。

 6回の逆転本塁打をおぜん立てしたのはペーニャだった。5回までフィリーズ右腕ザック・ウィーラーに、ペーニャの左前打を含む2安打に抑えられていたが、1死1塁から96・2マイルのシンカーを打って中前打、一、三塁のチャンスをつくった。

 3番アルバレスを迎えたところで、フ軍のロブ・トムソン監督が左腕ホセ・アルバラドを起用。ウィーラーを70球で交代させた。しかしこれが裏目、アルバレスがカウント2―1から98・9マイルのシンカーを中越えに高々と打ち上げる3点本塁打。球場全体でオレンジのラリータオルが振られた。

 この逆転の場面について、慎み深く、先輩思いのペーニャは彼らしくこう振り返った。

 「大きかったのは自分の前に(三塁ゴロを打った)アルテューべが全力疾走で併殺を防いだこと。ハッスルすることは教えられない。彼はいつだってハッスルしている。手本を示している。そういうところを尊敬している。だから自分も次の人にバトンをつなごうと思った。そしてヨルダンに仕事をしてもらった」

 第5戦までの活躍で、ミニッツメイド・パークの地元ファンは、1打席目からペーニャが打席に立つと「MVPコール」を送っていた。そんな中でも力まず、大事な試合で2安打。シリーズ通算25打数10安打の打率4割、1本塁打、3打点、そして守備の要、遊撃で度々好守を見せた。

 ア・リーグ優勝決定シリーズに続き、ワールドシリーズでもMVP。これは史上9人目の快挙。新人では2人目だ。新人のワールドシリーズMVPは、1959年のラリー・シェリー(ドジャース)、1997年のリバン・ヘルナンデス(マーリンズ)に続き3人目で、新人野手では初めてとなった。

 試合後のセレモニー。MVPのトロフィーを頭上で持ち上げ、少しはにかみながら上下に振る。「ずっと夢見てきたこと。ヒューストンの人たち、大好きだよ」と言って、おなじみの感謝のハートマークを両手で作った。

 2つのシリーズで連続MVP受賞について聞かれると「チームメートが自分らしくやらせてくれたおかげ。毎日しっかり準備する重要性を教えてくれた。でも個人賞よりみんなで勝ち取ったトロフィーの方をカメラで撮ってほしい」と言い、白い歯を見せて手を叩いた。

 会見場には小さなドミニカ共和国の旗を持って現れた。国を代表してこの勝利を得たことをどう感じるかと聞かれると「言葉にするのは難しいけど、ドミニカの人たちに捧げたい」とスペイン語で話した。(奥田秀樹通信員)

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