ヤクルトが劇的サヨナラ勝ちでリーグ2連覇 ドラ2の丸山和が決めた 新人史上初のV決定サヨナラ打

[ 2022年9月25日 21:22 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―0DeNA ( 2022年9月25日    神宮 )

<ヤ・D>サヨナラで優勝を決め胴上げされる高津監督(撮影・会津 智海)
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 ヤクルトは25日、DeNAに1―0でサヨナラ勝ちし、2年連続9度目のリーグ優勝を決めた。高津臣吾監督(53)は就任3年目で2度目のリーグ制覇で、ヤクルトの連覇は野村克也監督時代の1992、93年以来、29年ぶり2度目となった。

 0─0の9回1死二塁、途中出場の丸山和がエスコバーから左中間を破るサヨナラ二塁打を放った。リーグ優勝決定試合で、ルーキーのサヨナラ打は初めて。サヨナラによる優勝は15年のヤクルト・雄平以来、7年ぶりとなった。

 昨年10月26日、横浜スタジアムで初めて胴上げされてから335日。高津監督は今度は神宮球場で優勝を決めた。現役時代、野村監督の元でクローザーに転向した特別な93年以来、29年ぶりのリーグ連覇だった。

 「絶対、大丈夫」とチームを鼓舞した昨年の初制覇とは違う、苦しい1年だった。昨年9勝を挙げた奥川を欠いた。それでも、現状の中でベストを尽くすことに腐心。そのひとつが新たな力の発掘だった。阪神との開幕戦の先発には「6番・遊撃」で3年目の20歳の長岡を抜てき。4安打1打点で7点差逆転勝ちに貢献した。4月8日の巨人戦では菅野から先制打を放つなど、6月末で33打点と勝負強さを見せた。攻守にまだ課題が多いが「本人もしんどいと思うが僕も我慢」と起用し続けた。9月9日の広島戦では殊勲の2ランでチームを救うなど、長岡も応えた。投手では20年ドラフト1位の木沢を中継ぎに抜てきし、ここまでチーム最多登板と欠かせない戦力に定着させた。「ヤングスワローズ」と呼ぶ若手を適材適所に起用するのは現役時代の恩師・野村元監督のようだった。

 快進撃を続け7月2日に史上最速でマジック53が点灯。だが、同じ7月上旬にコロナ集団感染の危機を迎えた。高津監督自身も感染。それでも前向きだった。チームを離れてミーティングに参加し、現場でコーチ陣が決めたオーダーを「このままいきましょう」と受け入れた。「やっぱりその場にいないと感じられないものの方が、何倍も多い」。チームの窮地で選手にもスタッフにも寄せた信頼。まさに「一丸」の結束力をもたらした。

 7月2日の初マジック点灯から86日目のゴールは65年南海の82日目を上回る最長だった。それでも、5月21日以降、一度も首位を譲ることはなかった。DeNAには最大17・5ゲーム差から4ゲーム差まで迫られたが、8月26日からの敵地での直接対決で3連勝。勝負どころでは強さを発揮した。

 ヤクルトの連覇は野村監督時代の1992、93年以来、29年ぶり2度目となった。選手、スタッフへの「信頼」と「我慢」のタクトでリーグ連覇に導いた。次は日本一連覇がかかる。恩師に最高の報告を届けにいく。

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