エンゼルス・大谷 自身初、今季200K到達 雨にも負けず“ルース完全超え”14勝も達成

[ 2022年9月25日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4ー2ツインズ ( 2022年9月23日    ミネアポリス )

<ツインズ・エンゼルス>雨の中、力投する大谷 (撮影・白鳥 佳樹)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が23日(日本時間24日)、ツインズ戦に「3番・投手兼DH」で出場し、5回0/3を3安打2失点で14勝目を挙げた。気温12度で雨も降る悪条件に苦しみ自己ワーストタイの7四死球を与えたが、7三振を積み重ねて自身初、メジャーの日本投手では4人目となるシーズン200奪三振を達成。投打の二刀流で「14勝&34本塁打」とし、1918年にベーブ・ルースが記録した「13勝&11本塁打」も超えた。

 大谷にとって日本時代を通じて初となる200奪三振の「記念球」は、捕手スタッシからベンチにいる水原通訳に向け投げられた。2―1の4回1死一塁。昨季までヤンキースの正捕手を務めた強打のG・サンチェスを83マイル(約134キロ)のパワーカーブで見逃し三振。二刀流ながら偉大な先人たちに肩を並べた。

 「大きい節目の数字ではあると思うので、凄く光栄です」

 日本投手では野茂英雄、松坂大輔、ダルビッシュに続く4人目(計10度目)の快挙。日本時代は15年の196個が最多だった男が、投打二刀流で進化を続け、メジャーの舞台で大台に到達してみせた。まさに異次元の活躍だが「奪三振能力は一つの強み。年間を通してここまで来られていることは良い」とクールに語る。5回0/3を3安打2失点、7奪三振で「ルース超え」の14勝目をつかみ取った。

 冬は積雪も多いミネアポリスの気温は約12度。冷たい秋雨も降る中で始まった一戦だった。初登板のターゲット・フィールドのぬかるむマウンドにも悩まされ、自己ワーストに並ぶ7四死球を与えるなど今季ワーストのストライク率53%。制球に苦しむ中、大崩れしないのが今季の「投手・大谷」だ。初回は1死から3四死球で満塁としたが、二ゴロ併殺で1失点にとどめた。2回、4回が始まる前にはマウンドに土を入れるほど雨が降り続けたが、4回から5回にかけて5者連続三振を奪うなど立て直し、奪三振率11・94で再びトップに立った。

 「終始、あまり(マウンドに)慣れてはいなかった。四球も多かったので、そこは一番良くなかったところ」と反省も忘れず「良い経験になった」と前を向く。3―2の7回2死一、二塁では左腕シルバーの93マイル(約150キロ)を中前打で貴重な追加点。連続試合安打を9に伸ばし、投打で存在を輝かせた。

 既にシーズンの規定打席(502)には達しており、規定投球回(162)まで残り2登板で9イニングと大きく前進した。「いろいろなシチュエーションを経験できている。場数を踏むかどうかは大事。そこがメンタル面で助けてくれるところはある」と大谷。ヤンキース・ジャッジと展開するMVP争い。どちらも称号にふさわしい活躍だが、確実に言えることがある。「ダブル規定到達」を実現できるのは、この地球上で大谷しかいない。(笹田 幸嗣通信員)

 《「ダブル600」も達成》大谷は2回1死でワルナーに四球を与えたところで、シーズン600打者との対戦に到達。既に到達している600打席と合わせ「ダブル600」は近代野球とされる1900年以降では初の快挙。また、シーズン200奪三振の投手のシーズン最多本塁打は1966年にレッドソックスとタイガースに所属したアール・ウィルソンら4人が記録した「7」で「200奪三振&34本塁打」も史上初。

 ▼エンゼルスのフィル・ネビン監督代行 (大谷は)規定投球回に達するだろう。重要な試合でマウンドに立つ投手は、彼をおいて他にいない。(サイ・ヤング賞争いの)議論に加わる必要がある。

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